第18章 美術品のように愛でないで
「だーれーがED野郎だよっ!勃つだろ!傑になんか吹き込まれてんじゃねえの?だから傑に股開いたって事なんだろ!?」
『それはひとりで慰めモードか他の女の子になら勃つって話なんでしょ!なーにが他の女の子全員と関係切った、だよ。隠れてキープしてるお嬢様方にこそこそご自慢の悟君を振るいに行ってたんじゃないの?……任務って装ってさ!まったく、下半身"も"だらしないなっ!』
「は?俺が浮気してるって言いてえの?……下半身"も"って。"も"ってなんだよ!?つか、傑とヤッてたオマエに浮気だとか疑われたくねえんだけれど!?」
少し距離を縮め、ヒートアップしてきた所で傑が間に入り込んで手でぐいぐいと距離を離していく。これで二度目の引き剥がしの作業。
「いい加減にしないかっ!ああ、もう!仲良いんだか悪いんだか…」
「あ゙?人の女のナカがイイってどういう感想だよ、傑!?」
「悟、一度黙ってくれないかな?君が口を開くと話が進まないんだよ……っ!」
悲痛な声を出す傑。こんな傑は初めてだ。こうも余裕がなくなるんだなあ、なんて悟にメンチを切りつつ傑の以外な一面を見て。
はあーー…と、とても長いため息を吐き出した傑は、ぼりぼりと頭を掻き、私を見るとびしっ!と指を指した。
何?と私も自身で指を差し傑に数度瞬く。
「……言うね、悟に。君の相談内容」
『はい?いや、ちょっ……それは待って…?』
「待つのは得策じゃないよね、この状況…」
直に本人に今言うの…っ?悪化させない?
不安になって焦る私に、いい気味だと言いそうなくらいにニヤニヤとしてる悟。今すぐぶん殴ってやりたいその笑顔よ。でも堪えなきゃね、理性があるうちに。それくらいに今は憎らしい悟の微笑みで。
えらく冷静になった傑は纏めた言葉を放っていく。
「解決策がこれなんだ、許してね。
……で、ハルカに私は──」