第18章 美術品のように愛でないで
『そしたら私がそれに付きわなきゃならないって事じゃないですか……』
「うん、そうだね。間を開けすぎず適度に相手してあげなよ。毎日だと疲れちゃうだろうから…」
それ、今まで通りの仕方なんだよなぁ……ってそれが正解だったのかもしれない。
間を開けすぎているけれど、今晩出来るかな…と心配ではあるものの今着ている、微かに鈴の音をさせる存在を思い出した。
『じゃあ今日悟を思いっきり誘ってみようかな…いや、久しぶりになるんですけどね……?今なんかちょっと言えないレベルの際どい下着着てますけど、ブランク挟んでもノッてくれますよね?』
制服の上からブラ紐を摘んで離す。ちりん、と主張する鈴の音に切れ目の傑は目を見開いた。
「えっ際どいのを着てるのかい?それは気になる……、いや、ウン…悟もきっと喜ぶよ……けど、我慢をしてる今の悟には酷じゃないか?餌を与えられ過ぎた猫状態にもなるよ?」
『んな事言われても……着てるものは着てるもんだし…いや、着てるっていうのかな、纏う?飾る……?』
「どんだけえろい下着なのか興味持たせる発言は止めて欲しいな……想像が難しいんだけど…」
この下着のせいで昨日からそわそわしちゃうのかもしれないな。
胸の先端部分がくり抜かれている下着で動く度に服に擦れる乳首。前戯として大体胸から弄くられて下半身が濡れ、おっぱじまってた。こうも感じやすい場所が刺激され続けば欲求不満の状態じゃ余計にしたくなる。可能なら昨晩だったけれど今夜悟を誘……、
ノックも無しにガラ、と開けられるドア。ぞくりとする寒気。
ドアの方向を見ると噂の人、あっ、とちょっと表情が綻びそうになった瞬間に自身の状況を思い出す。
さっきまで私は泣いていて、椅子に座ったまま傑に泣きついていた。体を預けている状態でこの姿を事情を知らない人が見たらどう思うか、なんてひとつ。
私のすぐ、斜め上の傑の喉元からははは…と苦笑いする声が聞こえた。