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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第18章 美術品のように愛でないで


「だがな゙」
『はい、』

枯れた声の狗巻に手を伸ばしてこちらに向けた肘に触れる。
それだけでもう済んだ。秒もかからない程に性能が上がっていたから、狗巻はこちらに手を数度振って海へと行く。

「しゃけっ!」

すぐに向こうに走っていく狗巻。さっき見た時に、纏めて5体が弾き飛んでた。体術で寄せに寄せて呪言を使ってるんだな、とまた相手を交わしながら寄せてる狗巻を眺めていたら、また悟とふたりきりになってた。

「お腹つらたん?」
『つらたん……』
「しょうがないから降ろすよー、お腹に負担掛かっても困るし」

足元から降ろされ、もぞもぞと悟は自身が羽織っていた白い上着を脱ぎはじめてる。

「僕のこれを着てな、帳降りててここでじっとしてるんだから海風で身体が冷えるでしょ?それにそんなえっちな格好隠さないといけないしね」

ふっ、と笑う悟は片手に脱いだ薄手の上着を持ってる。上着を脱いだ事で割れた腹筋、たくましい腕などの筋肉が晒されてて。

「そのシースルーなのとか余計に煽ってるでしょ、何それオマエ、公然で僕を誘ってるの?頭がらメジェド様みたいなの被って隠してくれない?五条の悟君がここで真名開放の宝具発動したらピーポくん案件なんですけど?下半身がバーサーカーなんだかランサーなんだか良くわからない事になるよ……スター集中の必中スキル、クイックタイプで子孫作成しちゃうよ……悟くんの二倍速クリティカル攻撃とかさあ~」
『ナニイッテンノこの人ぉ…』

上着をぱさっ、と私の肩に掛けて、すぐにぶつぶつと意味の分からない文句を言う悟に、ネタが多すぎてついていけず、ははは、と笑って対応する。眼前では出現する海坊主もかなり抑えられてあと僅か。

…しばらくその悟君の宝具発動?とかしてないじゃんなんて今はその件について言えずに。

『さんきゅ、これは帳上がるまでは借りとく』

「…ん、冷やさないでね。大事な身体なんだから」

優しい言葉と少し残った悟の体温に包まれながら皆が祓い終わるのをふたりでもうしばらく待った。
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