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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第18章 美術品のように愛でないで


……せめて一夜でも盛り上がれば具合が分かりそうだけれど、全然なんだよね。悟ほどじゃないけど、私だってしたいのにこのしがみついてる人、すやすや先に寝入るし。

こうやってスキンシップは欠かさずにするんだけれどな、と熱っぽい頬と私の手の平に汗を感じる。
むぎゅっ、と柔らかい頬を押していた手から離れた悟。ちょっとぷくっ、と頬を膨らませて廊下を親指で指した。

「ハルカに運転頼んで8人乗りのワゴン車で僕と一年と二年で行きます。憂太も居るから9人なんだけれどハルカには事故を起こさないで貰いたいかな!バレちゃうから!
二年の担任は置いていくよ、人数制限的に!教師は僕が居れば充分でしょ」
「えっ……可哀想」

本気で引いてる虎杖。
二年の担任っていうと日下部。悟は行くのに置いていくのかいっ!
ちょっとふてくされてた悟はにこにことご機嫌に戻った。皆も暑いのに元気になってる。

「よーし!じゃあ皆行くよーっ!車内ではタンバリンとかウクレレとかカスタネット鳴らして気分上げてこー!ずんちゃずんちゃ楽しんで嫌なことはぜーんぶ夏のせいにしちゃおうぜっ!」
「おーっ!」

気分上々を虎杖と悟が口ずさみ始めた。脳内アンチエイジングしすぎだろ、この28歳児…っ!
というか私が運転中にそうも騒がれたら集中出来そうもない。多分、託児所を探し出して大きなお友だちをぽとぽと落として静かな人達で海に直行するわ。人選、大事だなあ、なんつって。

『もしも運転を阻害したら助手席が悟の場合ワンパンチ、違う場合どうでも良い事を延々と検索させ続ける』

「えー?そんなエクセルの関数みたいな事言わないで?助手席をイフ関数のセル指定しないで?」

再び近付こうとするのを片手で阻止していると、伏黒をぐいぐい押しながら教室を出ようとしている虎杖。
野薔薇は小走りに、先に行ってるわよと虎杖達よりも早く行ってしまった。

「ハルカ、行こうぜー?ほら運転お前だろ?運転手居ないと始まんねーよ」
「五条先生は放っておけばいつの間にか着いてきてるからそのままで良いだろ、構ってるとそれだけ時間が遅くなる」

確かにそうなんだよね、時間は有限活用しなきゃ。ふたりの話に頷いた。よーし、私も準備しに行こうっと。
押す片手を下げ、悟をスッ、と避けつつ私も準備をしに走った。
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