第18章 美術品のように愛でないで
『普通だよね?これは過保護だよね…?』
「前見せてくれたやつじゃない。過保護じゃないの?先生。別にこれで良いじゃん、ハルカに好きなもの着せてあげなさいよ。
言い方が必死過ぎて変にマイクロとか紐とか勘ぐっちゃったじゃない……」
ほら、同性からも大丈夫だと言われてるし。携帯をしまいながらずっと目の前にいる過保護な彼を見る。
「ぐっ…!なるべく素肌を隠さなきゃいけないよ?ポリスメンの世話になちゃうぞ?」
『そういう宗派の国に住んでるワケじゃないんですけど……?』
立ち上がった私に回り込む様に早足で追いかけてくる悟。
頬に片手を、ぐいぐい近付こうとするのをいつものように拒絶する。
そんなやりとりが結構見慣れてしまっている現状。誰も止めない、誰も茶化さない。ただ、教室での風物詩みたいになってる。
「まーた過剰にスキンシップ取ろうとする飼い主と猫みたいな事してる…」
『こんな事してる時間あったらはよ海行きたいんですけどっ!言い出しっぺ、ほら、早く!暑いのにくっつこうとするなっ!』
「やー!暑くてもこれはするー!」
……ガキんちょかっ!
人前では言えないけれど……夜寝る時も暑いのに触れて寝ている。しがみつかれたり、腕枕だったり…人前では口が裂けても言えないけれどっ!
それから…。人前じゃ言えないけれど。
開放的な服装、水着。それで悟が元気になってくれればって思っている。ここの所、一緒に過ごしていても夜にする事が無くなってしまっていた。
3日とか4日とか生理中だとかじゃない。あの私が死にかけた時からずーっと。もう、1ヶ月も経とうとしてるというのに、最後にセックスをしたのは沖縄。
あの、五条悟という男が。
朝から晩まで盛ってるような、毎日毎日やろう、したい、いいだろ?って誘う悟が手を出さない。それに不信感を抱いていた。
浮気で気になる子が居て手が伸びない、とか……は考えたくない。今でもモテるのは知ってる、でも無駄に怒りを覚えたくないし……。
一番濃厚な線は28歳にして急にやってきた下半身、いやはっきり言うと生殖器の衰えでは…?と推測しているのだけれど流石にこの件については誰にも相談が出来ない。