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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第17章 幸福に生まれ変われ


「ぶっちゃけ婆さんは僕にとってそんな思い入れある人じゃないしぃ~…。
まっ!春日家のしきたりもオマエがやりたいって言わない限りはこれで最後。変わった葬儀は見納めだね。だってオマエはヨボヨボの婆さんになって死ぬ時は五条家の墓に入るんだもん、僕と死後も末永く眠って下さいねっ!」

今を生きてる状態でも充分に一緒に寝てるけれど、死んでも一緒に寝るのか、この人は。ははっ、と笑っちゃいけない日だと言うのに笑えてしまう。
どこまでも甘えたがりで、寂しがりで……そう私を必要としてくれるのなら私は、そんな悟に寄り添ってあげなきゃ。

『そうだね、骨になってもどっかの誰かさんは私が居ないと安心して眠れないとか言ってそうだし』

今でもずっと触れてないと嫌がる悟。そんなのを続けたら私も悟が居ないと眠れなくなる習慣が着いてしまう。
……本当に、眠れなくなったらどうしよう。冗談抜きで心配になるわ。
そういう事も考えてしまって、少し困った顔をしながら彼を見上げた。

「もちろん言うさ。こっちにオマエが入るって言ったら……そうだね、僕が生きてたらむりやり墓を掘り起こして五条家の墓に入れるし、僕が先に死んでたら無理矢理怨霊にでもなって夜な夜な墓石の前で訴える」

『相当病んでるねー、それ』

とんでもない人に愛されてしまったものだ。満面の笑みの悟からちょっとだけ仰け反ると騒がしい重機の音が止む。
掘り終わり、エンジンの切られた重機。アームの部分に掛けた滑車で、ロープで固定した棺桶を人の手でロープを使ってゆっくりと降ろしていく光景。
細長い棺桶が縦の状態で降ろされていく異様な光景は、私の目ではもうこれが最後の光景だった。

……私は、こういう風に収められたくないな。死んだらカリッと焼いて貰いたい。死ぬ時くらいは普通であって、誰かに愛されたって事があれば十分かな…。
全体が見えなくなるまでをじっと眺めて、変わった埋葬をこの場の人達は静かに見届けていた。


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「龍太郎達はしばらくここに住み込みって事で本当に良いの?大きい家の管理はそうしてくれると僕達にもメリットがあるから嬉しいんだけれど」
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