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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第17章 幸福に生まれ変われ


『そういう所だぞ??ん?悟、デリカシーって知ってる?』

「でりかしい?デリシャスなお菓子の略かなあ~?まあ、知ってたらそんな事言わないよねー」

こうして、のほほんとした雰囲気で通夜の準備が始められていった。
しばらく準備を進めていれば、私の父や春日家に生まれた男…、分家と名乗る夫婦なども来たり。龍太郎に何かこそこそと言い寄って項垂れていたけれど。
私の方をじっと見て何か言いたそうでもある。

始まったお通夜の中。少人数での夕食。
ぽそぽそと控えめな会話が聞こえるくらいで母の時との違いを知った。母はとても明るく、たくさんの人に支えられていた。だから若いうちに死んでしまった母の葬儀は、葬儀に参加する人数は多くてとても騒がしかったのだけれど。

本家に泊まる三度目の夜がやってきた。これまでにない、人の多いはずなのにとても静かな夜が始まった。
父親の泊まる部屋で親子だけの会話をして、寝る時間だからと悟が待つ部屋に戻ってきた私。
だいぶ話し込んで、部屋に戻れば電気が消えていて……ただ、初めて悟と交わった、あの夜みたいに障子から月明かりが部屋に差し込んでる。部屋で待っていた悟は一組の布団を敷いていてその上で座っていた。
来客用として用意した浴衣。サングラスは外していて、月明かりを受けた青い瞳が私を見上げていた。

『あれ、悟起きてたんだ?先に寝てても良かったんだけれど…』

物音を大きく立てないようにと襖を静かに閉めて、布団の側にそっと静かに座る。
ずっと見ていた悟は微笑みながらうんと頷いた。

「ハルカが側に居たほうが良く眠れるしねー…ほら、布団入って」
『お気に入りの枕が無いと寝れないみたいな癖になってない?出張とか大丈夫なの、この状況さー…』

一組の布団の中で向かい合った状態。しっかりと引き寄せられ、満足してる悟は既に眠そうで。

「んー?オマエが居ないと安眠は出来ないかなー……だから昔より泊りがけの出張はなるべく行きたくないんだよね。
あー…超眠い、ハルカおやすー」
『……おやすー…』

すぐに寝つく悟の髪を梳きながら、私も寝よう、と悟にひっついて瞼を閉じた。
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