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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第17章 幸福に生まれ変われ


小部屋を見て回り、階段とエレベーター前で立ち止まる悟と私達。
エレベーターは一階で停まってる。その1という階層のライトを悟は見上げてた。

「8階建てだってさー、エレベーターで行ってエレベーターで帰って来たいよねー」
「それ1階と8階の往復じゃないですか?」
『中抜きだねー…8階に行けばオールクリアじゃないんだよ?』

……この帳の降りた薄暗い静けさが当時を思い出させる。
懐かしむ、というよりも嫌な記憶。残業ばかりしてた時の記憶。夜遅くまでデスクワークしてた記憶。
物陰からこちらにひたひたとやって来る呪いを前方のふたりはさくさく祓っていて私はあれだ、持ち運びする虫除け成分を飛ばすファンみたいな扱いだ。あれは虫よけだけどさ!
くるっと悟は振り返って私を見た。なんだろ?

「んっ、よし!ハルカちゃんと着いてきてるねー、このまま階段を上がっていくよー」

『そりゃあ無茶は出来ないし…ホント私、居るだけ状態だけれどそれで良いの…?』

帳以上に(普段の帳がどれくらいの効果を出してるのか知らないけれど)呼び寄せてふたりに負担が掛かってる。
来れば格闘技くらいで祓えるから後ろから来れば…と期待しても祓い終えたから来ないし。ほぼ前方で終わってる。
口元で悟はにこ…と笑った。

「引き寄せが嫌なら伊地知と車で待機してても良いよ。僕としてはその方が安全だ、ハルカが死ぬ原因から遠ざける事ができる方法だしね?」

嫌味のような、過保護のような言葉だった。
それ…待ってろって。ただの役立たずじゃん。待機エンドは止めて欲しいんだけれど。せめてこのまま引き寄せる存在でいれば良いって事なんでしょ?
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