第17章 幸福に生まれ変われ
やっと3人が見えてきた。おっ、来た!という表情が見え、驚いた顔からの真顔。やっぱそうもなるわ。
「朝から見せつけてんの?」
『朝から離れないんだよ、離そうとすると余計に力が増すっていうか、特級呪物というか。エイリアンの卵産み付けてくるカサカサするやつみたいになってる』
「んー?誰がエイリアンだって?卵産み付けてやろうか?10月10日に出て、」
『そういうのやめい!』
首が締まるっていうか肩や胸というか。ぎゅううっ、と逆に刺激するから離れない。
「公私混同じゃないですか?」
呆れた表情をしてる伏黒。彼に顔を向ける。
「ハルカ嫌がってません?いくら籍を入れた関係だとしても、同意を得ない行為は警察に訴える事も可能らしいですけど。そもそも教師なんじゃないですか?"五条先生"」
その言葉をバネによりぐいぐいと引き離そうとする力を込めてもう一度悟を押す。
『うん、そう公私混合!自覚出来るようにもっと言ってやって。
私の背に張り付くのは一年担任のはずだよ、まさかそんな教師がさ、生徒に手を出しオンオフの管理のできないやつとは思わないよね。ああ、そうそう今は高専内だから身元が分かっても別の場所で私が止めて!って拒絶してみせれば学生に張り付く不審者として通報レベルの、』
「ピーポくんに僕を売るつもりだね、キミ達はっ!酷いなあ~!」
散々抵抗してしがみついてた悟も、ばっ!と背から剥がれた。これで良し。
私から離れた悟はちぇー、と呟きつつ皆に挨拶をした。
「……ちぇっ。じゃっ!真面目にいきますか。みんな、おはようちゃん!こっちの車には悠仁達、こっちにはハルカ達が。それぞれ任務が終わったら車に乗ってねー、三件目は皆で行くよー!僕が言えるのはここまでです」
二台並ぶ車を指差しながらに説明し、運転する補助監督生が任務の詳細を現地に着くまでに説明すると悟が言った。
ややこしそうにも無さそうな、シンプルそうな任務ではありそうだけれど。虎杖がビシッと手を上げ、悟が「はい!悠仁!」と指差した。
「俺達は商店街に向かって普通に呪いを祓ってりゃ良いんだよね、先生」