• テキストサイズ

【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第17章 幸福に生まれ変われ


良くない言葉の選択だったみたいで余計にくっついてしまった。
やばい、焦ってきた。もうちょっとで集合場所。立ち止まって頬や首に当たる悟の白髪、それを後ろにぐいぐい押す。

「なんで離そうとすんのっ!」
『人前でこれはねーわ!落ちろカトンボ!』

素の筋力だけじゃなく、大人気なく呪力強化使ってると思われる悟。ガッシリとしがみついてびくともしない。額を手の甲で押しちゃいるけれど体勢もあって、上手く力を出せないし!耳元で騒ぐし!

「僕を大気圏に落とさないでシロッコ!
良いジャン!だって僕の奥さんだよっ!?可愛いんだもん!柔らかいんだもん!いい匂いするんだもん!こうしてると安心して癒やされるのっ!世界が救われるの~っ!
それに新婚ほやほやのラブラブ夫婦でくっつかないわけにはいかないでしょっ!僕達結婚して日も浅いのに不仲とかヤダ!まだ赤ちゃんも作ってないのにっ!」

しっかりと私にしがみつき、離そうとする前よりもぎゅっとしがみついてる。もうだめだ、こんなやりとりしてるうちに時間は迫ってる。

『………チッ、はあーーー…』

「やだぁ、おっきなため息ですことっ!五条の奥様、そんなため息ついてると幸せ、逃げちゃうゾ☆」
『誰のせいだ、誰のっ!……もういい、このまま悟に構ってると遅刻癖が感染する』

諦めて悟を装備したままに私は集合場所に向かう。どう頑張ったってこの悟をどうにかする方法がすぐには思いつかないし。無理ゲー、負けイベント。消費したAP、令呪を返せ問題。
始めこそずるずる引き摺り気味だった悟も、コアラの様にがっちり私をユーカリの木のようにしがみつくようになった。平均ほどの身長の女に190センチを超える男がしがみつく光景。誰が見たっておかしい、突っ込まざる負えない状況。朝の挨拶よりも先に突っ込みが来るな……と確信しながら集合場所へと進む足。しっかりとしがみつき、首筋にぐりぐりする悟。時々「すーき!」と、囁いていて、嬉しいとかよりも面白くて笑いそうになりながら。
/ 2273ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp