第17章 幸福に生まれ変われ
学校に呪物を設置するようなレベルでかつての勤め先もそういう対処しないといけない程だったんだ、と妙に納得しつつ。笑えないけれど笑顔を無理に貼り付けた。
『まさか。本当に持って行かないよ、冗談、冗談やるわけないジャン』
「現地調達も駄目ねー、やりそうなの分かってるから。
はーい、学校終わり!皆寮に帰った帰った!お出かけの人は気を付けて遊んでおいでー!青春は今だけですよー!
……ハルカは補習です、遊んでる場合じゃないよ?」
手をパンパン、と叩いて他3人には帰りを促し私は補習だからと、荷物を持ち席を立ち上がった野薔薇の椅子を持ってくる悟。
放課後に外出るの……良いなーって思うけれどこればかりはしょうがないし。
「じゃあお先ー」
『ん、皆でマックかー。私の分も食べてきなー、報告は要らない、食べたくなるから』
3人に軽く手を振る私と、椅子に座って足を組み、片手をぶんぶんとその教室から出ていく皆に振る悟。どっちが生徒だっけな?虎杖は悟と似たテンションだけれどさぁ…。
皆の気配が遠ざかっていくと、私の反対側に座ってテキストをぱらぱらと捲ってる悟。
「補習って言っても今日で座学の方は終わりかなー…、オマエ、一般教養は大丈夫だろ?数学はダメダメみたいだけれどっ!おバカちゃんっ!」
『…うっせ!苦手なものは苦手なのっ!』
あと2ページくらいだわ、と開いたページ。そんなに今日は教室に残らなくても良さそう。
過去に起きた事件と、祓う際に使われた呪具。その写真がいくつか掲載されていてその分読む場所も少ないし。
そのテキストから悟へと視線を上げた。目元を覆っているから視線はどこに向いているかは分からないけれども。