第17章 幸福に生まれ変われ
2ペアでの任務なんだ、今回。いつもと違う真面目な内容をきちんと聞いていく。
悟は室内の皆を見た後に、私をじっと見て指を差した。
「ハルカは血の関係もあるから血を温存、出来るだけこれまで通りで。新しい術式…"罰祟り"をもしも使わざる負えない場合は、特に手足もぎったり首斬るようなのはなるべく使わない事」
『なるべくって…使って良いって事?』
禁止じゃない、という言い方に食いついていく。
悟は指を二本立てる、ピースしてるというよりも二回、という意味で。
「出し渋って死なれるよりはマシだけどどうしてもって時なら最大2回までくらいじゃない?3回目を使うくらいなら距離を取ったり、誰かに強力してもらったりで」
教師モードだとかなりまともな事を言うんだなぁ。部屋だとすっごい甘えん坊モードなのに。昨晩なんてお風呂でもベッドでも行為をする事なくひたすらくっついてたし。なつき度をカンストした猫のようにずっと離れない彼は、部屋じゃふざけたり好き、と呟いたりして教師という立場である事を忘れさせる。
そのせいか、アイマスクを装着すると、悟=教師という式が私の中で出来てしまった。部屋だとサングラスや裸眼の方が多いし…。
……しかし明日の任務はオフィスビルか。何階建てのビルなんだろう?
「私と虎杖は商店街かー…」
「野薔薇達の商店街、明日インフラ工事入るって通達済みでね、水道管やガス管破裂の恐れ有りって危険度あるから住み込みの人も避難させるってさ。手際が良いよねー。
あと、恵達のオフィスビルに関しても全階の通気・防犯システムの工事って言ってあるから、全社員休み。こっちの方に関してはハルカの方が詳しいかもねー」
ふーん、規模大きめの所はそういった理由で閉鎖したりするんだー…と、聞いてた。そしてなんで私が詳しいんだ?と首を傾げる。
私、警備員とか体験してないんだけれど?