第17章 幸福に生まれ変われ
そんな話を料理をしながら、出来上がったものを盛り付け、手を合わせ柄いただきます!と揃って食べ始めて……悟経由で聞いていく。
ほうれん草がたっぷりはいったパスタを食べつつ、悟はうんうんと頷いた。
「葬儀についてはそんな感じで……話はハッピーな方向にシフトするよ。そういえば僕たちの結婚式どうしようか?」
『んっ…!?急だね、』
「うん、話のヘアピンカーブ決めちゃったねっ!」
くるくるとパスタをフォークで撒いてる悟。なんだか食べてる時まで楽しそうだなあ。
あまりの話題の変わりように咽そうになったわ。ああ、でも籍入れてるんじゃ急でもないの、かな…。リベルタとか任務だとか学校とか色んな方向からの忙しさでそこまで思考が割けなかったけれど。
10回目のデートの沖縄で指輪まで貰ってるんだった。ずっと身についてると本当に体の一部みたいでたまに視界に入ると嬉しくはなるけれどさ。
悟は自分の部屋の方を親指で指してる。
「ゼクシィなら何冊か買って部屋に置いてあるよ。だた家関連の色々な都合上すぐに式を挙げられないんだけどねー……もうこの際だからインドばりに盛大な式あげちゃう?テッテーランドのパレードみたいなやつ!楽しそうじゃなーい?」
『そんなに規模を大きくすな』
「えー?だって五条家だもーん、そういう所にお金を出して経済も回って思い出も残ってWin-Winな関係でしょ?」
ちょっとそういう所の価値観は合わないな……と思いつつ、ドヤ顔の悟を見てると彼の表情は少し考える様に料理をじっと見てる。
そして顔を上げて私を見て、その青い瞳を少し細めた。
「……うん、そうそう。五条家ではオマエを歓迎してるよ。まあ当主の僕がハルカが良い!っていうからってのもあるんだけれど。やっぱり禪院家にマウント取れるってのもあるみたいね、」
「ほら禪院の血を流しながらに禪院家キラーだしね?」と、ちょっと笑うからはは、と短く笑い返す。領域内とか祖母くらいまでの先祖の思考の話だけれどねぇ……。
優しい表情は面倒くさそうに、しかめて。