第17章 幸福に生まれ変われ
「傑のお土産これにしよーぜ!」
『ぶっ…!バッカこんなの渡したら怒られるに決まってんでしょうが!後先考えないで行動するんだからっ!そういう所だよ?夏油さんに悟、サバ折りされたいの?』
サバ折りする姿を見てないけれど。するかどうかも分からないけれど。にっこにこな夏油が袈裟の姿でバッキャー!って潰しに掛かるかも知れない。ありがとう、私の親友よ、とか言って。
悟は不服そうに眉を寄せてる口を尖らせていた。
「野郎にサバ折りとか勘弁なんだけど?エドモンド本田だって女の子相手にサバ折りしてたじゃん?春麗とかキャミィとかるんるん気分でさー。で、野郎相手だと誰得なのよ?アビゲイル相手だと周りから歓声じゃない声掛けられるレベルよ?超優しめな威力で僕がハルカにするなら良いけど。
それに傑にされたらゴリラパワー炸裂して僕、五条と悟に分割されちゃうじゃん!」
ブーブーと文句を言う悟。このお土産を諦めたくないらしく、プレゼンモードに入っていく。
その積まれたお土産の一つを手に取った悟は私を見ながらにパッケージを顔の近くまで持ち上げ、とある場所を指差した。
「ほら、見て。おまけ付きだよ?傑がさ、お茶とか飲みながらちんこ(の形のちんすうこう)ボッキンボッキン齧って…勃起だけに?『黙れ』……フフッ、入ってるおまけのことわざとかとか手に持ってさ~ボソッ…って読み上げたら面白くね?
"頭隠してちんこ隠さず……ふふっ、不審者だね…"とかさっ!」
ちょっと悟のモノマネが上手くて悔しい。容易に想像出来ちゃった。
『んっふ!ぷぷっ…、まっまあお菓子だしねー…見た目はともかくちんすうこうだし…ん、ふふっ、誰がコレ渡すの?私無理なんですけど?私も上半身と下半身に分割されるのはやだよ?』
「寸前にじゃんけん、負けたヤツが餌食になる!」
選挙に出馬する意気込みくらいに、拳を突き上げて店内で声を上げる悟。
……餌食ってなんだよ、生贄か?