• テキストサイズ

【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第17章 幸福に生まれ変われ


ああ、そういう報告もしなきゃなあ、と顔を隠すのを止め、ドアを閉めてから硝子の側に寄ると、ポケットからパウチに入ったゼリー飲料をはい、と手渡される。『ありがとうございます!』とお礼を言い受け取ってその場で封を切る。正直お腹が空いていた。前みたいに空腹を訴える音とか聞かれたくないし。
ちょっぴり体温が移ってぬるいけれど美味しいのでこれはこれで良いです。

ゆっくりとゼリーを吸いながら硝子の横に寄っていれば、文句有りげな表情になっていく悟。不服そうにちょっと下唇を突き出してる。私は硝子の方を見て、目が覚めた時の事を話した。半身の不調や痺れについて。そしてそれを治し、今では症状が無いという事も。
硝子は頷きなるほど、と抱えてたシーツが床に着いていたのに気が付いて片手に抱え直してから私をじっと見る。

「……まあ、症状からして脳梗塞だろうな。急激に血液が減少して鈍くなった血流で血栓化したのが脳内血管で詰まったんだろ。新しい術式を使用する時は式髪以上に気を付けないとそうやって内面からやられていくから十分に気をつける事。五条じゃなくてもそこは誰もが心配する所だから、ハルカ自身も自己管理をきちんとしな?」

『はい……』

それは正論すぎて反論も出来ない。反論はするつもりないけれど…。
周りにも相当心配掛けちゃってるし、悟なんか心配を通り越して寝ぼけて?暴走してたし……。
二歩程こちらに歩み寄る悟に気が付き硝子の影にすっと隠れた。
硝子の背から覗くと眉間にシワを寄せ、口元を一度歪ませてからスンッ…とちょっと悲しそうな表情をしてる彼。

「なんで僕が近付くとカクレクマノミみたいに隠れんのさ?」
「さっきやった事を自覚してから行動しろ、五条」
「僕またなんかやっちゃいました?」

そういう事を自覚が出来たら皆に避けられたりする事も無かったろうに。頭にクエスチョンマークでも浮かべていそうな悟は首を傾げて考えている。
僅かな時間考えて考える事を止めた(諦めたともいうか…)悟はにこっ、と爽やかに笑った。

「今回使った、相手に致命傷を与える術式、オマエ何回使った?」

隠れるのを止め、硝子の隣に立つ。
ちゅう、とゼリーを飲むのを止めて、空いてる片手を見た。そして指を記憶を思い出しながら折っていく。
ええと、悟が攻撃していた呪霊に一回、呪霊使いに一回、ボスに……。
/ 2273ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp