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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第17章 幸福に生まれ変われ


147.

窓の外のヒヨドリの鳴き声でぱち、と目が覚める。すっごくぐっすり眠っていたみたいで頭がスッキリしていた。
目を開け、真っ直ぐ見える天井がいつもの寮の部屋でも、父親と暮らしてた実家でもリベルタの薄暗い檻の中でもない。あー…これで何度目だろ、3度目だったかな?やらかした後に目が覚めたら見る、医務室の天井だった。

ぎゅむ、と自由が奪われた身体。拘束するのは無機質なものではなく、暖かい人の腕。部屋でよくあるいつもの光景、悟が抱きついて寝ていた。それから左手の違和感があって見て見りゃ、腕には点滴が着いてるみたいでチューブが近くに吊るされた点滴液に繋がってた。
壁掛けの時計を見たら学校が始まるよりも少し早い時間帯。
まーたぶっ倒れて迷惑を掛けてる。最後の記憶は、と…。

深く考えたいけれども生理的欲求が先だ、めっちゃトイレ行きたい。しがみつく悟をぐいぐいと離そうにもなかなか離れてくれない。難しい顔をして、眉間に皺を寄せて寝ている悟。なんとなく、こういう顔をしてると理解が出来る。私も悪夢を見ることがあったから……そうだ、私はその悪夢、トラウマの原因に復讐をしてたんだった。ある程度までは痛めつけてた、けれども優しく諭す悟の言葉で自らその復讐を手放したんだった……。

ぎゅむ、と私を離さないようにしがみつく悟を見て、せめて良い夢になりますように、と撫でてあげられたら……と、手を伸ばそうにも伸ばせない。そんな中で気が付いた事があった。

……痺れるような感覚を体に感じる。
鈍いと言うか、ぴりぴりするというか。左手と左足……あくびをって、口を開けようにもなんだか違和感。半身が…って事は多分頭をやってるんじゃないか、と判断して自分で治療を済ませた。
痺れはもう無い、式髪でなんとか出来たからこっちの心配はもう良いとして。膀胱の異常の方が今の私には死活問題だ、これは式髪で治すモンじゃないし早くこの五条悟という拘束を解かないと人として女として、ここの生徒としてそして悟の奥さんとして色々終わる。変に冷や汗かいてきたんですけど。
難しい顔で悪い夢の中に居るだろう、悟に呼びかけた。
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