第17章 幸福に生まれ変われ
「ハルカ良く倒れるわねー?」
「医者の不養生ってやつ?」
「それ意味違うだろ」
「……悠仁、ちゃんと勉強をし??」
ちょっと賑やかになってきたな、とカーテンをシャッ、と閉めてハルカの枕元近くに立った。
「ハルカ起きてたらって思ったんだけれど寝てちゃ食べられないわね。先生食べる?」
「ん、ありがとーちょっと頂くねー」
わいわいとピザを食べながらにハルカの寝ているベッドがテーブルのように使われる。起きてたらなんて言ったんだか。
ハルカも食べられたら良いのだけれど今の彼女は点滴だけ。目が覚めなきゃ口にできない。無理に突っ込めば身体が拒否反応を起こして吐き出すらしいし。
……って硝子から聞いてるから、余計な事を僕はハルカに出来ないのであった、と。
「あんまり騒ぐとハルカ、寝言でキレるからねー」
青春まっさかりの10代が揃えば騒がしくもなる。
実際に僕が部屋で騒ぐもんだからハルカにキレられる事もしばしばでその教訓を活かし、3人が怒られないように先に注意しておいた。
……恵の僕に向ける視線が痛いんですけど。
「五条先生部屋でも騒いでるんですか?」
「まあね、朝、ハルカが起きない時とかハルカが早く寝付いた時にベッドの周りでサンバを踊ってたら凄かったよ、あれ、小さい子見たらギャン泣きレベル。僕、任侠モノが始まったかと思ったもん」
「サンバ踊るなし……」
呆れた視線の中でハルカへ視線を移すとちょっとだけ不快そうな表情をしてる。声量を抑えながらに3人に話し掛けた。
「リベルタの構成員はどうなった?」
指先をティッシュで拭いてる悠仁。ちら、と恵を見ると恵が代わりに答えた。
「生存者は8名、ボスの寺田は死亡です。生存者の取り調べであの場から逃げ出したメンバーは居ないそうです」
「そっか。それは良かった!」