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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第16章 覚醒のトリガー


何故リベルタが?ボス?だって捕まった筈でしょう?どうして、どうして?なんで…。絶対的安心感の日々だったのに、楽しかったデートだったのに、幸せの絶頂にあったのに急な落差を体感した。
夢が覚め残酷な現実が幸せをぶち壊していく。

「リベルタ関連の連絡とかハルカに関係する重要事項は僕に連絡するように言ってあるんだけど今の所、連絡は来てない……それマジな話?」

悟は携帯画面を見て、すぐにしまう。その様子を私達は見ていた。そして龍太郎が悟に向かって大きく頷く所も。

「ええ、逃げ出してる筈です。看守が連絡出来ない状況なのかもしれません。なのでまだ脱走した件については把握されてない可能性が……」
「……ふーん、まあ、バリエーション豊かな呪詛師達だしねー…。
ちょっと連絡するから待ってて、」

悟は携帯でさくさくとここで何処かに連絡を取り始める。悟が電話に忙しそうで私は龍太郎を向いた。

『龍太郎、リベルタのアジトの時はありがとうって言いにここに来るつもりだったんだけど……まさかこんな事に…』

解決なんてしてなかった。むしろ、再発真っ只中。
はは、と龍太郎は短く笑う。

「ええ、突然の連絡に驚きましたが良いタイミングでした。発覚もこの怪我の治療もされなかったでしょうし、発覚が遅くなればなるほどにハルカ様が危険な目に遭ったでしょうし」
『いや、斬られた場所も場所だし、自分が死ぬ可能性の方を心配しなよ。いくら春日の血を引いているったって誰かの為に死ぬのを強制されてんじゃないんだしさ』

誰かの為の盾になる必要なんてない。本家も分家も関係なく、生きる為に生きれば良いじゃん。
へら、と堅苦しそうだった表情が少し、幼い少年のような笑みを零しすぐに元に戻る龍太郎。

「お気遣いありがとうございます、ああ、それから……」

す、と私の手を両手で包まれる。その私の手はいつもとは違う変化をもたらした片手、左手。
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