第15章 縛りの為の呪物
うん。嫉妬って分かってる。目の前の驚いた顔からさっと視線を逸らした。カーテンをまだ引いていない大きな窓の外は宵闇の中で、ここからでも見える月の道。
片耳にククッ、という悟の笑い声を聞いて横目で悟を見た。
頬や首筋に顔を擦り、側頭部が見える。髪がくすぐったいし、ゆーっくりと腰はストロークの動きで私の中に出入りをしてる。
「オマエに嫉妬されるの、俺……すっごい好き。もっともっと可愛らしくやきもち妬いてみせてよ」
……妬きたくて妬いてるんじゃないし。
そういう所が良くないんだよね、と引き寄せてた手で両肩を掴み、ぐいぐいと離すように押す。まあ、押してもなかなか引き剥がすのが難しいし、本気で押し返せない。意識の一部は下半身に集中していて性的欲求を満たそうと押し退けたい相手を求めているから。
『わざとそうやって嫉妬させようっていうの、私は嫌だから。そんな事したら…そうだね、悟の大親友殿に相談しようかなー?』
悟の親友って言ったら夏油の事。
えー?と声を漏らしながらも確実に私の奥までをゆっくりと突き、少しずつ抜かれていく繰り返しの行動。少しスピードが早くなってるのを感じる。
「傑は駄目です、"悟を逆に嫉妬させまくろうか、まずは服脱いでー寝そべってーハイ!完全合体でモーマンタイ!即ちSEX!"でしょ?」
『あんたらマジでどういう青春送ってれば相手に対してそういう思考になんの??』
ふうー…、と息を長く吐く悟。
一回イキたいからちょっと早くするよ、と少しずつスピードを早めて私もその早さの途中で絶頂を迎えて、その後に悟も私の中でたくさん射精をする。
そしてまた、臨戦態勢に戻してベッドに座った悟の上。
跨がれと言いたいのか、座る場所を指差す悟。そこにガクガクする足でゆっくり跨って中にもう一度悟の身体の一部を迎え入れた。
向かい合う中で、私がリードするようにゆっくりと身体を上下する。
『っはぁー…、さっきの続きだけれど。嫉妬……わざわざさせる為に昔の関係とか以前の体の付き合いと比べられたりすると……内心、私捨てられるんじゃないかって思う時もあるんだよ…』