第15章 縛りの為の呪物
どれほどたくさんか分からなくても何度も脈打つのを感じて、口でペニスを愛撫したり、コンドーム無しで性行為してお腹の上に出したようなあの量を思い出せばきっと今晩はあれら以上の量を、たくさんの細かい精子を子宮に放っているんだと感じたらとても悟が愛おしい。卒業してから生むと理解していても…今してる事は妊娠に繋がる事じゃなくっても。
もしもこのまま授かったとしても後悔はなく、そのままで良いと感じてる。もう、恋人という関係以上であるし五条悟という人物に信頼を置いているからこそ。
慈しむような視線を感じてじっとその青を見上げれば、ふわりと優しく微笑まれて優しい口付けが振ってくる。それは額に、瞼に、頬に、唇に。
「愛してるよ、ハルカ。僕と結婚してくれてありがとう」
下半身の奥底や頭の中までとろとろになった状態で、悟は私の頬にそっと触れる。優しい笑みで私もそんな悟の頬に手を伸ばした。
『私も、悟の事愛してるよ。私、すっごく幸せだよ、まだ結婚して少ししか経ってないのにね…、』
緩やかに、膣の中でとくん、と振り絞るように最後らしい射精が終わった。
ずるり、と引き抜き悟はふふ、と笑ってる。ゆっくりと私から漏れ出す精液の感覚を感じて、もったいないな…だなんて思ってしまった。
一度激しく行為をして落ち着き、余裕が出来たみたいでとても優しい表情の悟はふわりと笑みを零してる。
ぼすっ、と私の隣に一度横になった悟。
「結婚はしたけれどさ~、よくある"キミを絶対に幸せにする"なんて言葉は面と向かって言えないね。
僕らはあくまでも呪術師同士、いつ死ぬか分からない……
まあ僕に関しては最強だから無いと思うけれど、万が一僕が明日、もしくはキミが明日ひょんな事で死ぬかもしれないのに"絶対に幸せにする"なんて約束も保証も出来ない、けれどさ」
互いに普通の人生であれば、悟は幸せにする、とか言ってくれたんだろうか?なんて思うけれどそれは今更で。ちゃんと呪いを祓う、代々伝わる一族である悟は根っからの呪術師なんだろうな、と関心する反面、少しだけ普通とかけ離れた人であるという事に寂しさを感じる。普通として生きてきた私からみたらそれはとても窮屈そうに感じて。普段のわがままな所を考えればそうしたくなるのも仕方ないのかも…。
はぁ、と大きなため息をつく悟。