第14章 鮮やかな日々よ
普通にお酒を楽しませて戴きます、と肉料理をつまんでる七海。
そうは言われても完全に罪悪感は消えないのだけれど。そんな空気をなんとかしてしまう人が隣に居た。
「そうそう!ハルカは大きめな餌になったって思ってくれれば良いの!相手は野放しにしてたら勢力ももっと増やして今以上に手を付けられないくらいの問題を起こしてただろうし!」
「おい、クズ」
『デリカシー無くした?交番に届け出出して来なよ』
にっこー!と笑顔で悟が言えば、冷めた表情で硝子が注意をしかけたのだけれど。
七海がスパッと言ってくれました。
「私は自分ででしたが伊地知さんに関しては五条さんがやや脅して進めたのですし、一番咎められるべきは五条さんですね。
しかもハルカさんを餌、とこう言ってますが決行日までに二度ほど、"寂しくて死んじゃう"という理由で全員潰そうとしてる所を夏油さんに全力で止められてましたね」
「ナナミーン!」
「ぶっ飛ばしますよ?」
へらへらと笑う悟を見ながら、私もはははっ、と笑って硝子の前に並べた料理に手を着けて数度口に運ぶ。こういう場ではしんみりと嘆くよりも楽しんだほうが良いみたいだし。せめてもの気持ちで楽しんで貰おう。
そんな私の視界にスス…っ、と隣からグラスが現れた。さっき悟が何点か頼んでたやつ。
そのグラスを押し出してきた人の顔を見れば優しく笑う。
「じゃ、手を付けてないやつで仕切り直そうぜ、ハルカ!」
『悟酒飲めないでしょ、それはノンアル?』
明らかにカクテルグラスだったからソフトドリンクじゃないって思って聞き返してみた。
悟は頬杖をしながらにそれぞれのグラスを指を指し、僕はノンアルキミはインアルと説明してくれる。