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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第14章 鮮やかな日々よ


七海はふたつ隣の席ではぁ、とため息をつき、一言"そうですね…"と言って間を開けた。

「──気付かなくて当然でしょう、こちらは偽名を使っていましたし、いくらかは声のトーンは変えていたつもりですし。あなたは視界も言葉も奪われていましたから。
そもそも持ち込んだ現金は五条さんのお金でしたから私は財布すら出していませんよ」

「伊地知は3000万、七海は5000万の計8000万とその他諸々をホイと出してんだ、ハルカのその隣の男は」

一般人が手にする機会がそう無い金額を軽く出したと聞いて悟を見る。黄色がかったものと濁った青いカクテルのグラスがふたつ運ばれていた。ジンジャエールを半分程まで減らしていた悟は自身を親指で指して歯を見せて笑う。

「大丈夫、その出した金額もハルカも無事回収したし!」

『いや、軽いテンションで言える額じゃあないんだよなぁ……って額だけの問題じゃなくって。人体を傷付けてって所もさ、』

金額だけの問題じゃない……そんな金額を悟に出させて伊地知や七海の体を傷付けて危険な敵の懐に飛び込んで来てたんだよ?
伊地知に関しては悟から頼まれた、と聞いたけれど七海は自分から切ってくれと頼んだって聞く。
自分のグラスを両手で抱えながら覗けば困った顔をした私がこちらを覗き返してる。

「……ハルカさん。呪術師とは常に危険と隣り合わせです。怪我をする方は常に多く、家入さんだけで対処しきれない事だってあります。呪術によって治療を行う、その技術をなんとしてでも取り返したかったというだけですよ。
まあ、そちらの五条さんがハルカさんを早く取り返そうと暴れそうな気配もあって早めに行動しなくてはという事も有りましたが…」
「ナナミーン!」
「その呼び方止めて下さい、この店舗からつまみ出しますよ。
まあ大して気にしておりませんから私も伊地知さんも決してハルカさんを咎める事は致しませんよ」
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