第14章 鮮やかな日々よ
「ぷっは!まーだそんなに嬉しくなっちゃうワケ?もー…僕まで表情だらしなくなるだろ?」
途中までだらだらにやけ顔だったのをキリッ!と切り替えた悟。ムカつくほどに顔が良いのがこうも切り替えるのが早いと私がただアホ面出してるみたいじゃん。
……ドヤ顔してさ!自分はそこまで顔にずっと出しませんよアピールってか?と、チッ!と舌打ちをして睨むもだらけてしまう表情筋。悟はかなり余裕そうで。
「水着、僕に決めさせてよ?ね、ハルカ?」
その余裕ぶった表情をなんとか崩れさせてやる。だなんて、まるで私も悟に染まったような思考になっている。
今歩く道の人通りは、たまにすれ違う程度。言うのは恥ずかしい、その単語を頭に浮かべた瞬間から頬が熱い。それでも悟の余裕な表情を崩してやりたい。
『そーだねー、私の頼れる旦那さんが選んでくれるのならそうしようかなー?』
「ちょっ、止めてー?せっかくのイケメンが台無しになるー」
せっかくキメた表情も崩れて、だんだんと顔が染まる悟。うん、効果は抜群だ!じゃんじゃんと追い打ちを掛けていこうっと。
『スパダリだっけ?悟ちょいちょい言ってるもんね、略せず言えばスーパー…ダーリン?』
「ン゙ッッちょ、オマエマジで出先で止めろよっ」
歩きながら普段からかわれてる分こっちからからかうのはすっごく楽しい。本当に余裕なさそうで真っ赤で焦る悟が可愛い。
くすくす笑いながら、片手で口元を抑えながら顔を伏せる悟をからかいまくった。下から覗けば普段の余裕なんて一切見られない貴重な悟。
『あらあら?どうしたの?旦那さん?いやダーリンって呼ぶべきなの?お酒入ったみたいに顔真っ赤だしだいぶゆるゆるとした表情してますねー?まっかっかでかわいいね、悟くん?』