第14章 鮮やかな日々よ
「白無垢も良いけどさ!やっぱウエディングドレスも僕は見たいのよ。アフターパーティーとしてハルカの色んなお色直ししたドレスとか拝みたいんだけど?
白に黄色にオレンジにピンクに赤、紫、青水色黄緑緑…黒も良いね~!」
『レインボーに攻めるな??』
「あっ!ゲーミングドレスとかどう?」
『目に眩しいわっ!ナイトクラブか??』
何を考えているのやら…、と想像力の豊かな悟に笑ってしまいながら、歩道に立ち止まって信号機を見上げる。まだ歩行者用の信号機は赤のまま。
斜め上の悟を見上げる。
「結婚式の入場曲何にしようか迷うね~、安室?カエラ?髭男?GReeeeN?」
『待ってめっちゃ気が早い、書くものと書かれるもの必要なレベルに先を急ぎすぎ!』
式場での打ち合わせか?レベルに攻めてくる悟。
歩行者信号が青になり、悟は腰に手を添えて私を進ませながら暴走していく。
……幸せそうだから良いんだけれど。今色々決められても覚えらんないんだよなぁ…。
「シーン別に変えるのも良いよねー!氣志團も良いんじゃない?あの、サビのさ、子作りの部分の所の、ズッコンバッコンイエー!で入刀すんの!」
『何を!?』
「ケーキだよ?」
紛らわしいわっ!というか絶対にそれは採用しない。首をブンブンと横に振ってそれは却下、とはっきりと伝えた。皆の脳裏に違うモンが想像されるでしょ……。
歩道を渡りきって、今から行くお店に足を進めてる。
「来週末沖縄行くと決まってんだからさー今日水着買うんだからね?ハルカ」
『……うん』
両手で自分の頬に手を当てて揉む。嬉しい、悟と沖縄…!海!嬉しい…っ!顔が、にやけてしまう…。
そんな私を見て悟は吹き出して笑っていた。