第14章 鮮やかな日々よ
伏黒がそう言い終わると虎杖が手を上げて発言権を主張した。
ドアから入ってやりとりするのも邪魔だし(いやここに一年と担任揃ってるけど)自分の席に移動してバッグを机に置きながら虎杖を見る。
「ほんっっとごめんなっ!弱ってる所に俺、追い打ち掛けちまって!怪我大丈夫?」
ああ、あの電気ショックのスイッチか……。思い出される三日前の朝の事。
ちょっと苦笑いになりながらうんうんと頷く。あれはまだ良い方で実際は呪術のお仕置きの方が威力が高かったから。
『あれは大丈夫だから。それに知らなかったんだししょうがないよ、それにリベルタの電気使うヤツのお仕置きの方がもっと痛かったし』
「ホント?キレてない?ロメロスペシャル決めてこない?」
『しねえよ…?レスラーじゃないんだからしねえよ?あれは冗談だし…』
……あの無精髭の野郎、もしも会う事があったらやり返してやる。虎杖ではなくあいつにはそれくらいに腹は立てているけれど。
ハの字眉の虎杖に大丈夫だから、ともう一度繰り返した。そして……にやりと笑う野薔薇。
「おめーら男子なってないな?まず最初の重大ニュースは先生とハルカが入籍したって事でしょうが!
って事でおめでとー、ハルカは多分いつの間にか結婚してたって感じだろうけれど」
『ありがとー野薔薇!いつの間にか苗字が変えられてました』
今回ばかりは遅刻をしなかった悟が教卓前までのんびり移動するのを見て、私は野薔薇の方を向く。
「まっ!私は温泉ン時からハルカ呼びだから良いけど男子共は名前で呼ぶか……あれ、するとハルカを呼ぶ時五条って呼ぶの?あんたら?」
『……ぶっ!』
だいぶ耐えられてきてるなと思った所で燃料投下。緩む気配を察知して私はそのまま机に勢いよく突っ伏した。ゴッ!と言う頭を打った音とひりひりとする額。覗かれる対策として片手でフードをかぶる。ディフェンスモードの完成。
「えっハルカ大丈夫?あんたそういえば栄養失調って硝子さんに言われてたわよね?」
心配そうな野薔薇の声がちょっと近付く所で悟がクスクス笑っていた。
「心配いらないよ、野薔薇!ハルカは多分嬉しくてふわふわしだしてる所だから!だからこんなデオキシスディフェンスモードになってんの!」
「は?」