第14章 鮮やかな日々よ
「んー?やだ!それはそのままで良いんじゃないの?ずっとにこにこしてるハルカ、めっちゃ可愛いしそんなオマエを見てると僕までにこにこしちゃうもん、皆に感染させてやんな!」
感染症か、これ……。
これ以上上がらないファスナーをぐっ、と上げつつ久しぶりの学生生活と来週末の予定と悟と入籍した事で表情が緩む。
期間を確かに気にしてたけれどリベルタから助けて貰うその時までに結構悟を知る事が出来て、それでこそこの人が良いと改めて思える。両者の家族に挨拶する前にリベルタにやられる前にとの対抗策としての最終手段とはいえ、入籍をしたはしたで充分に幸せな生活になっている。
……といってもいつも通りの生活に更にいちゃつくというか。結婚結婚と騒いでいた悟ももう騒がなくなったし。毎日の婚姻届攻撃もこれで止むだろうし。
『……駄目だ、やっぱり緩む~。私悟みたいに年がら年中にやにやしてないもん不審者に見えない?』
「その理論だと僕年がら年中不審者だね…?」
『えっ、ご自覚されてらっしゃらない…?』
そのままのノリで教室前にやってくる。気合い入れていつもの表情、いつもの表情……と暗示を掛けていれば覗き込む隣の男に吹き出しそうになった……止めろ!必死なんだから!
ちょっとまともになった所で中に入って行けば三人の視線が集まった。虎杖は伏黒の側で立っていて、ふたりは自分の席に座ってる。
『おはよー』
私のおはよう、の後に待っていたのはおはようじゃなくて。
「お「久しぶ「~~大丈夫」元気」ごめんなっ!」
『ちょっと待って脳がバグる…』
私が聖徳太子なら聞き取れただろうけれど一度に言われても、と。
まず私は頭を下げて顔を上げた。
『ほんっとご迷惑を掛けました!』
「いやあれはしょうがないだろ……それを言うなら俺達も勝手に先生ん所行ったって勘違いして置いていって、あんな事になったんだし…すまない」
「ハハッ!しょうがないでしょ、ハルカはトラブルメーカーだもーん」
『お口にチャック、だよ先生?』