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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第14章 鮮やかな日々よ


悟は機嫌良さげに戸棚からシュガーポットとティースプーン、カップを取り出す。
元はと言えば私ひとりの部屋だったけれど、隣からの訪問者…いや、同棲が始まってからいろんな物が増えている。最初なんてマグカップひとつ程度だったのにティーセットとか増えてるもんなー…とティーポットと持って私と悟の分を注いでくれている悟を見ていた。

「僕ら、部屋でこんな風に過ごすのなんて久しぶりだけど、何しよっか?」

お茶を注ぎ、今度はバリバリと包装紙を剥いて箱を開けている悟。包装紙を剥くなんて誰でもする事だけれど、私には悟の剥き方がクリスマスプレゼントにはしゃぐ子供に見えてしまう。
今日も甘党ライフを楽しんでんなあ…、と見ていれば蓋を開けた悟。ひとつお菓子を取ると個装紙を剥いて早速リスのようにサクサクと食べている。

「これ美味しいよー、ハルカも早く食べなよ」
『菓子折り早剥きRTAを見せられての急かしをされましても…』

……うん。お昼過ぎだし今なら外に出掛けても充分デートなり買い物なり出来るだろうけれど、休養中って身で外にデートに行きましたっていったらヘイトを買う。しかも大掛かりな救出をされた身だから自重したいもんだし。
私もお土産のお菓子に手を伸ばし、紙をゆっくり剥きながら考える。部屋の中だとDVDだとかゲームだとか…えっちだとか。色々とする事が限られるし……急にお部屋デートだなんて言われても。昨日なんて脱獄デートとしてカウントされちゃってるし…!どこにデート要素があった?と問い詰めたいんだけれど。

それでハッと思い付いたのは10回目のデートの場所。ある意味では脱獄も自宅療養も記念というか記憶に残るだろうけれど、なんとなくテキトー過ぎて回数稼ぎ感がある。欲を言うならカウントしてるその最後こそしっかりと決めた場所にしたい。
チョコレートの掛かった四角いお菓子が出てきた所で個装紙ごと机に置き、悟をじっと見た。彼はシュガーポットから角砂糖をボチャボチャ入れている。

『……入れすぎ、甘いものも食べてるんだし糖尿になるよ?』
「頭を良く回すから糖分が足りないんですーう!最強は糖尿なんてダサい展開にはならないっ!」
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