第14章 鮮やかな日々よ
「それ、横濱ミルフィユね!一緒に食べよー!
てかさー任務自体はさほどじゃなかったんだけど、行く時が大変だったのよ!」
『ふーん…大変ってどう?道路工事3箇所とかやってた?信号機全部赤だった?』
「それただの不運なだけだろ」
靴を揃えるのを振り返って少し待って、室内に入ってくる悟を待ち一緒に部屋に入る。
身振り手振り、悟は状況を説明した。
「急いで着替えて部屋の外に出たけどさ、マジで傑が部屋の前に待ち構えてたワケ!ちょっとオマエの喘ぎ声聴かれてたかもしんないよねー。
んで僕さー、2回戦の真っ最中に慌てて行ったもんだから出すに出せずフルボッキだったワケよ?このGLG五条悟だとしても成人男性がちんこおっ立ててその辺に居たら任務に行く前に警察行く事になるじゃん?でさ、結局トイレで一旦抜くハメになったんだけれど、抜き終えたっていうのに傑ったら僕から距離とってんのよ?」
『そりゃあ任務急かして出てきた親友殿が勃ってたらねー』
夏油がちょっと可哀想になってきた。クリーニング済みの服にカマキリの卵を仕込まれ、部屋から出てきた友は勃起して出てくる。距離置きたくもなるよ?
うんうん、と私は頷いて悟の肩に手を置いた。
『友達は……いや、夏油さんを大事にしなよ?普通ならそんな対応じゃ済まないからさー』
「えー?大事にしてるよ?傑の事さー」
キッチン前のテーブルにお土産を置いて視界に入るティーポット。そうだ、紅茶蒸らしていたんだったと紅茶の存在を思い出した。
そっとティーポットに指を触れる。まだ暖かいから飲める温度だろうけど渋くなってる気がする……。カップに少し注いで飲めばまだそこまで渋くない。
『丁度紅茶淹れてたんだけど飲む?』
「オフコース!愛したのは確かにキミだけよ?」
『そのオフコースはグループ名でしょ』