第14章 鮮やかな日々よ
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悟が慌ただしく着替えて私の部屋側から任務に出掛けたので、とりあえず私はシャワーを浴びた。
着替えて携帯を確認すれば悟からの連絡が入ってて確認すれば"ごめん!お昼は確実に過ぎる!外で食べるからハルカも食べてて!お土産買ってくるからお部屋デートは僕が帰ってからね!"……そんなメッセージが届いてた。
任務であるならそっちに集中して欲しい、でないともしかしたら油断からの怪我をするかも知れない。悟は特級呪術師で最強で天才だというけれどもしもがあるし。
ありきたりかも知れない、"気をつけて帰ってきてよ"と送り、私は汚してしまった悟の部屋のベッドカバーを引き剥がして洗濯をした。
のんびりと出来る時間に贅沢さを感じながら、自室で少し遅めなお昼を作って食べ、紅茶でも飲んでいよう、と茶葉を蒸らして居る時だった。
ガチャ、ガチャガチャガチャ!と玄関のドアノブを激しく弄る音。鍵を忘れてったわけじゃないだろうに……とぱたぱたと急いで駆けていく。
『はいはい、待っててよ今開けるからさー…』
開ける前に一時停止。よくよく一度考えてドアスコープから確認をしてみる。アイマスク姿、口元だけで変顔をした不審者……、はい確実に悟ですね。
ロックを解除してドアを開けると変顔はにぱっ!と笑顔になった。
『お疲れー早かったね』
「うん、ただいまっ!ちゃんと僕だって覗いて確認したー?」
『うん、したした。ドアスコープから見たらクッキングパパみたいな顎出した不審者が居たわ』
「ヨシ!……ん?不審者?」
現場に居るちょっと頼りない猫のマネをする悟。その指差し確認する腕には紙袋がぶら下がっていた。
それを、んっ!と得意げに突き出して渡すので受け取る。少し軽めで受け取った時にガサッ、と中の物が傾いて紙袋が鳴る、やはり悟だからお菓子みたいだね…?
ドアから玄関に入った悟はアイマスクを下げ、靴を脱ぎながら帰宅早々に文句を言ってる。