第14章 鮮やかな日々よ
『……めっちゃ落ち着くのよ』
「それ分かるーハルカが来てからベッドに潜り込んでたのその現象よ?」
指をぱちんっ!と鳴らして調子よく笑う悟。
あの時、付き合ってなかった状態なのに良くやってたな……と今になれば笑い話だけれど普通はアウト。110番されてもおかしくない事を悟は頻度多めにしていた。あの頃は好きであることに必死に気が付かないようにしてたな、なんて思い返しながら枕を撫でた手をまた抱きしめるように枕に回す。
じーっと私を無言で見つめる悟は少し不機嫌そうに眉を下げてる。
「オマエが僕のことそんなに好きでたまらないのは嬉しいけれどさ、枕に妬けちゃうんだけれど?なんで目の前に生五条悟居るのに抱きつかないのよ?枕じゃなくて僕にぎゅーっとしてよ」
がし、と掴まれた枕をぎゅっと押さえる私。取られる、取った後は想像が出来る。嫌じゃないけどちょっとした反抗がしたくて数秒の枕の取り合いをして。
悟は楽しげにフフッ、と声を出して笑った。
「ねっ、今日はこっちの部屋で、しよ?」
『えっ』
片手ですぽっ!と両腕から抜き取られた枕は定位置に乱暴に置かれ目の前の爽やかスマイルの悟。その枕を抜きとった手は自身の上着に手を掛けていた。
「オマエの部屋まで取りに行くのだるいから、ゴム無し外出しで良いよね?」
いつもしてたのは私の部屋。コンドームはベッドに近い定位置にしまってあった。悟の部屋にまず私が行かないからそりゃあそうなんだけれど。なら今のうちに私が取りに行けば良いんでしょ、とベッドから立ち上がろうとしたら悟は私に脚を絡めて組み敷く。どうやら部屋に行かせてくれないみたいで。
何事も慢心しちゃいけない、もしもがあるかもしれないからきっちり避妊しとかないと卒業後とか言う前に自身や悟の分身が出来てしまう。
『あの、部屋に取りにさ、』
「外に出すからいいでしょー?ここですんの!ほら、ハルカも早く脱いで脱いで」