第14章 鮮やかな日々よ
私はおかしくてふふっ、と笑った。
ばさばさと掛け布団に挟んだ体を引っこ抜き悟もベッドに座る。
大人ふたり、朝っぱらから寝癖とかで頭部が大変残念な状態で、ベッドに座って向かい合う不思議な光景。
悟は女の子みたいに両手で口元を押さえた。
「えっ嬉しい、夫婦だから?」
何故。双子とか親子なら理由は分かるけれど。
例え夫婦でも長年付き添った熟年レベルなら意思疎通出来るのとかありそうだけれど私達は知り合って半年もなく、また入籍して何日も経っていないんだけど。
『えー…そういうモンじゃなくない?』
「夫婦だからって事にしとこうよ。それはそうと、ハルカ……夫婦らしい事、しよ…?」
ギシッ…、とベッドを軋ませ私側へと前のめりになって顔を寄せる悟。
あ、朝から…する訳?確かに昨日は遠慮して、明日つまりは今日はお家デートしつつえっちするって話をしていたけれど。
どきどきと心拍数の上がる中で悟はフフン、と笑うと私の体に抱きつきベッドへと寝かしつけた、
バフ、と右側面がベッドに押さえられたかと思えば、同じくバフッ!と勢いよく目の前に寝そべる悟。向かい合う中で悟は朝から機嫌が良い。
「やっぱさ、夫婦になるって言ったら……
お互い、なんて呼び合う?から始まるんじゃないの?」
そっちかー!
口を一文字にして横目で天井を見た。私はてっきり名前も同じ苗字に統一したら肉体も統一(合体)するんじゃないのかって思っちゃったんですけど!
……とてもじゃないけれどそれを口に出せない。"そんなにえっちしたいならしよう、今すぐに!"ってなるのがオチ。
視線を正面の悟に戻してなんて呼ぶかを考えた。
『うーん。そうだね…、』