第14章 鮮やかな日々よ
攻撃も止んだ隙もあり、急いで着替えを持って(背に何コンボか受けながらも)脱衣所に来た。
さくさくと服を脱いで浴室へと入る。
自分で自分を洗うのは久しぶりでちょっと感動してる。今日になって食べることもベッドに座る事も、トイレですらも感動して…ようやく人間に戻れた気がして。
ちゃぷ…。
薄ピンクのにごり湯のややぬるめの湯船。薔薇の香りのする湯船に浸かってさっきまでのベッドに座っていた時と変わらない、悟の脚の間に収まる私の体。今回は左肩に顎を乗せている。
肩を抱いている腕は始めこそ静かだったけれども両腕は離れ、私の胸を両手がむにむにと揉んでいる。
「はあー…、このパイオツを揉んでると全てがどうでも良くなる……どうだっていいやぁ」
『何、悟ストレスでも溜まってんの?』
やわやわと指全体で揉みながら寄せたり上げたり、ぐにぐにと回している。この人はスクイーズをあげたら部屋で黙ってずーっと揉みまくってるタイプだ。
今日はしないというから乳首を攻めてこないのはありがたいけれど。悟は、んー?とだるそうに返事をしてずっと揉んでいる。
「だって任務とかじゃなくてさー…いつ帰って来るか分からない、最悪帰って来ないかもしれない。そんな誘拐されてる状態でずっと逢えなかったんだもん。
ハルカは僕が居なくてどうだった?寂しかった?」
寂しかった、か。そんなの寂しかったに決まってる。
濡れた髪の頭をよしよしと短く撫で、昨日までの悪夢の日々を思い返す。それは昨日までと逆、楽しい想い出を思い返す日々の逆の事。