第14章 鮮やかな日々よ
消えた春日の一族による"奇跡"と問題のリベルタ。あの場に残された一番の問題はあの施設の地下に残された5メートル程の高さのタンク。私からずっと回収し続けられた呪力をそこに溜め込んであって7割程が溜められていたとか。
私自身はそんな地下まで行ってないから、小さめな機械に溜め、一箇所に集め続けていたんだと思うけれど……。
呪力溜めてどうするんだろう、電力不足の新たな一手として呪力でも推すのか?と思っていたらそれは術式の刻まれていない非術者をどうにか術師に作り変えられないのか、とか呪力を術師に過剰投入したらどうか?など研究案がアジトのパソコンから出てきたそうだ。
また、子供を拐ったりする計画やら、人体実験で死亡した人間のリストだとか……。
伊地知は紙の束に手を置いた。
「まだまだあのアジトに残されたものが多くこうして処理をしてまして。一部の京都の方もこちらに残って使われていた小型の機械の解体作業などをしていますよ」
といっても監督生が、という話であちらの生徒や教師は昨日の内に帰ってしまったみたいだ。
ここに長居したら邪魔になりそうだな、悟もちょっかい出すし。
『後で差し入れにまた来ます……本当にご迷惑を掛けました』
「いいえ、お気持ちだけで結構ですよ。ハルカさんは今は充分療養して下さい」
疲れていそうな笑みの伊地知。そこから今度は学長達が報告している場所へと悟に背を押されての移動中。
……結構疲れたな、と肩を落とした。しばらく運動も無かったから筋力も落ちてきてるのかも。今日はしっかり休んで……明日…いや明後日からは稽古をしよう。元の状態にしなきゃ。
「次は学長の所で報告だけど……足取り重いねー、疲れた?」
『うん。体力落ちたなー』
素直に言っとく。疲れたモンは疲れた。
稽古を悟にして貰えれば筋力も戻るだろうし。悟の顔を見上げると嬉しそうに笑ってる。
「そっかぁ!じゃあ取り戻すために昼も夜も運動いっぱいしてこうねー?僕よりむきむきのナイスバルクになったら泣くから程々にしてねー」
昼は分かるけれど、夜って。