第14章 鮮やかな日々よ
感情が迷子になる。ええと…。とりあえず整理しとこう。
デート10回したらって言ったじゃん!という怒りと、その阻止はナイスという称賛と。
父親への連絡ありがとうの感謝と何夏油&五条で男同士ふざけて人の婚姻届出しに言ってんだお前らという突っ込み。
それから急な"五条ハルカ"とか婦人という言葉。駄目だ、頭がパンクしてる。
にこにことする悟を前に私は一度置いた箸を取り、黙々と食べる。食べながらにお腹すいたなーって。
ええー?と信じられないという顔の悟は不満を吐き出した。
「そこなんか言ってよー?なんか俺だけはしゃいでるみたいじゃん?」
『……待って、黙って食べさせて。今私の心の中で様々な感情のスマブラが行われてるから、今は冷静になれない』
感情5体にご飯美味しいという食欲も参戦して本当に大乱闘してる。
というか普通におかずやスープとか箸使ってるんだからチャーハンをわざわざ食べさせなくても良くない?と視線を送ると悟は自身が食べている最中のスプーンを口から引き抜いた後にチャーハンを掬い取って私に向けた。
……まあいいか。美味しいから許しちゃお。
ちょっとだけ冷静になれてきた。ふう、と麦茶で一息をついて、悟を見る。
彼は、ん?と微笑んでグラスを持ち上げて居た。
『あの、真面目に私、みたらいじゃなくて五条になったんです?』
にっこりと笑う悟はグラスを置いてばちん!と私にウインクする。
「そうでーす!五条ハルカさん、正式に僕の奥さんとなってます!
……まあ、呪術界の御三家って立場とかさ、春日家って事とか色々課題があるけど、ふたりで一緒に乗り越えて行こうね。挨拶しに行くのもそうだけど、結婚式とか住む場所とか」
『う、うん…』
そろそろだなー、くらいに考えてた結婚がしてました!となればこうも他人事みたいに感じられちゃうもんだな、と麦茶を飲みつつ悟の話に耳を向けてる。
悟はにこにことしながら、じっと私の目をサングラス越しから見てる。
「出来るだけ僕らふたりでの生活はしたいけれど。子供が出来たらオマエの負担も軽減するように五条家から使用人の手を借りるようにしたりね。
ほら、じゃんじゃん子供作るし」
目が本気でおっかないんですけど。
ここはいつもの返しをしておくか、とやや冗談混じりに薄笑いをしつつ返しておこう。