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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第14章 鮮やかな日々よ


『あ…?違う?
か、さ、た、な…はまや…』

や、まで来るとうんうん頷きちょっと口角を上げた口を開いてる。この流れ、なんとなくだけれど。

『だ?……"やだ"?』

にぱっ!と笑った悟。片手でサングラスを掛け、歩くスピードを上げていった。

「あったりー!じゃんじゃん食べさせるから、オマエもじゃんじゃん食べてねー!」
『こっちが言いたいわっ!やだー!!』


****


悟がご飯を作っている間にお風呂や着替えを終わらせ、キッチン前のテーブルへとやって来る。
すっごくさっぱりした。気持ち良い、自分で出来る事をやれるっていう自由、そして幸せを再確認出来た。
髪を乾かしたけれど一部湿っぽい気がするな…、と髪を纏め、結いながらキッチン前のテーブル…椅子を引いた。

時計は11時半を回り、丁度お昼時。
この醤油ベースの香りは唐揚げの匂い…でも今はジャッジャッ、と慣れたようにフライパンを振るってるから別の調理をしてるみたい。
机の上には千切りキャベツと隣に唐揚げが盛ってある中皿が、手前と奥へと二箇所用意されてる。湯気を立てているきつね色のスープも同じく二箇所に。すんすん、と今いる場所で匂いを嗅げばお腹がすぐにでもなりそうな美味しい香りに包まれてる空間。

……なんだか少し懐かしい気持ちになってくる。当たり前だった光景を今度こそ絶対に忘れない様にしっかりと噛み締めてる。
私がキッチンに来た事に気が付いてる悟は調理しながらこちらを振り向いた。

「ほかえりー、もうちょっとで出来るから」

『ほかあり……つまみ食いしちゃ駄目?』

背中を見せた悟。背中で、めっ!と子供に言い聞かせるように注意してきたけれど。
お腹すいたなー、熱々で今が食べ頃なんだと思うんだけれど……、と悟の背を見てにやりと笑った後に私はひとつ唐揚げを指で摘んでかじりつく。外側の味の付いた衣が薄く、さくっ…と音を立てた。

『…んっ、』
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