• テキストサイズ

【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第14章 鮮やかな日々よ


「さーてっと。ハルカの内容量が減ってるから正常な容量に戻してやらないとクレームもんだよ」

『……コンビニのサイレント減量弁当みたいに言うな』

私の冷めた視線をにこにことして受け止めた悟はベッドからがたん、と勢いよく降りると布団の中に手を突っ込んで私を抱き上げた。

『……わっ、ちょ、何すんのっ!自分で立てるから!』

布団から晒された私の格好は、気を失う前に着ていた病院着のズボンが無くなっていて、上に着ている悟のシャツと下半身は下着のまま。そのままに悟はしっかりと私を横抱きして至近距離で私を覗き込む。

「キミの世話係の子もリベルタの組織の崩壊で縛りも無くなって今は晴れて自由の身。ハルカをどういう風に世話してたか聞いたよ。お腹すいてるってオマエも言ってたしお部屋でこの僕が腕を振るってご飯を作るね。
そしてそれを彼女がしていたように食べさせてあげるー!」

クリミアめ、余計な入れ知恵を悟にしたっぽい。
目の前ですっごく楽しそうな悟。これから起こるだろう、悟によって「あーん」と食べさせられる光景を想像して、首を横に振った。
やだ。恥ずかしい。ファミレスとかでの絶滅危惧種じゃん、パフェとか食べさせあってるバカップルばりに見てる方も恥ずかしいアレじゃん。

なんとか回避出来ないものか、と視線をあちこちに動かしつつ、そうだ!と浮かんだアイディアは今は拘束具が無いって事。
即ち。自由を取り戻した状態で日常を追体験するって事。回避じゃなくても、これは自分でしたかった事だし…。
横抱きにされ、ドア方面へと進み出す悟に私は両手を彼にちょっと笑いながら見せる。

『ほらっ!私の手は今は自由だからっ!自分で食べられるし?今まで通りの生活を再確認したいなー!
悟ご飯作ってくれるんだ、嬉しいなー自分で食べるの久しぶりだなー!』

ここは悟を上げてからの久しぶりの自分で食べる事を楽しみにしてるアピールしとこう。

「……ふーん、そっかー!」

楽しそうな表情の悟は個室のドアを開け、ばたん、と閉めながらスタスタと早足で進んでいく。黙ってしばらく進んだ後に私の顔を見て口をぱかりと開けた。
何だ?何かいいたいのかな?ん、まあるく開けて……母音のあ?
/ 2273ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp