第14章 鮮やかな日々よ
「オマエがひたすら耐えていたおかげで、リベルタの構成員を今日でようやく全員拘束出来る時が来た。龍太郎はもちろん、伊地知や七海の協力もあってね。
縛りをせずに良く耐えて頑張ったよ、ハルカ。生きてずっと僕達を待っていてくれてありがとう」
すっ…、と顔を寄せて優しく口付けて。
運転席にいる伊地知がぎょっとして急いで前を見る。
キスを終えた悟はばちん!とウインクをして、私が声を出す前にすぐにドアを締めて横顔を見せる。獣のようにギラついた視線でピリピリとした空気を纏って、これからあの騒がしい戦闘に加わるんだろう。
急いで車の窓を私は開けた。
『悟っ、気をつけて』
ちら、とこちらを見て笑うと悟は背中を見せて手を振ってくれる。
「──大丈夫、僕最強だから!」
その背がさっき出てきたリベルタアジトの中に入っていく。
危険なのは知ってる。でも悟ならば大丈夫。その背中に強さを見てそのまま私は車内で糸が切れた人形のように倒れた。