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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第14章 鮮やかな日々よ


これ、クリーニングが必要だなぁ……。
悟は素肌に黒い上着をまた着直していた。

『ありがと。悟のシャツ、ちょっとの間借りるね』

「ンンッ……いやずっとソレで良いよ、もう。あ、あんまり胸を張らないでちょっと猫背気味でお願い。お乳首様の主張がさ、悟君のブルーアイズホワイトドラゴンを召喚、」
『あ?プレイヤーのライフに直接ダメージ入れられたいワケ?』

片手で目元を抑える悟。
……そんなにシャツ越しに主張してるかな…、と少し気を使う事にして。シャラポワらないように片手で抑える。

「はあ……、うん。着替えたらもうここには用はないでしょ?さっ!外に逃げるよ」

差し出された手に重ねようとした手を悟に掴まれて、壊された鉄格子から出る。実験でも来客対応でもない自由への一歩にドキドキとした。
私がふらふらしていたのを知ってか、ゆっくりと歩いてくれる悟。少し声がはしゃいでる。
掴まれてた手首は離されて、指が絡みあう手の繋ぎ方へ。
心のどこかにもやもやがある。そのもやもやを掬い上げればこのリベルタに来る原因になった悩みを思い出した。
じっと悟の横顔を見ていると急に悟はにっこりと笑ってこちらを向く。

「はい!第8回目のデートは脱獄デートでーす!」
『んなデート聞いたことねーわ!
というか、その…悟。私に何か言うこと無い?隠してる重要な事とかあるんじゃないの?』

大きくてちょっとごつごつとした手に絡められた私の手。繋がれたままに私は悟を見上げる。こっちから力を入れていなくとも悟は離さないようにぎゅっと、しっかり私の手を絡めて握りしめている。
少しずつ消えていく泣いた跡を、悟はポケットからサングラスを取り出して掛けた。ドン、ガゴン…、とあちこちから物音が聞こえて呪術を使っているであろう、たくさんの呪力を嫌でも肌に感じる。
特別な眼を持つ悟にはそれらも良く見えている筈。

ぐったりとして倒れ、縛られている構成員が並べられている通路。そこを見向きもせずに悟は私を優先してる、というのが分かるけれど。ん?と言わんばかりの表情は分かっていないから私は聞きたいことをはっきりと伝えた。

『その、悟って結婚してたんでしょ?既婚歴があるはずだって母さんから聞いたんだ。
私、悟の側にいてそんなの聞いてなかったんだけど。どういう事なの?何があったの……?』
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