第13章 磨りガラスの想い出
パン、と虎杖の頭を叩く伏黒。当人達は本気でやってるやりとりだろうけれどいつもの教室でのやりとりに見えて安心してきた。お腹は、痛いけれどさ…。
タッタッタッ、といういくつかの足音がまた檻の前で止まった。
野薔薇と夏油、そして……悟。
「みたらいっごめ、お…俺……」
『し、仕方ない、よ……ゴホッ、さっきもさ、直に術式の電気流されたけど、それよりは設定甘い痛みだし……けど、虎杖、後でロメロスペシャルさせてもらっても良いかな…?
毎日さ、さっきので……"縛り"を強要してくんの…っ、すごく簡単な作りだから……見間違うのもしょうがないって、』
自分を治療しながら痛みを耐え、はは、と笑った。
緊張感の走った表情の虎杖と伏黒、その側で肩を上下させて(走ってきたからだと思う)いる野薔薇。
「あんたそれ……」
『久しぶり、野薔薇』
「笑ってる場合かっ!これ……なんとかして開けらんないワケ?」
檻の鉄格子に触れてる。私は首を横に振った。
『私の余分な呪力は吸われてるから無理、構成員の持つリモコンで開くよ……、前は鍵穴だったから隙を見れば出来ただろうけれど…』
「……この鉄格子、呪力を吸っていくわね…、ここは組織の人間ひん捕まえるか、もしくは先生に……先生?」
「………」