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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第12章 愛し君の喪失


110.

ホームルームをしに教室へとやって来た。ハルカが居なくてもしっかりと健康状態に気を遣って万全の体制、彼女の為にリベルタのアジトにいつ"GO!"と許可が出て、突入しても良いような状態をキープしてる。傑に言われてってのがちょっと癪だけど。

ドアの前に立ち今からの行動をイメージする。ガラ、と開けて息を吸って…と。
可愛い生徒に余計な心配をさせないようにしなくちゃいけない。僕の婚約者…いや、今じゃ正式に"奥さん"が捕まっているって事でくよくよしてたら、生徒を導く教師たる僕が大丈夫?なんてみんなに心配されて言われちゃうし!

……といってもこの子達のクラスメイトでもあるハルカ、この子達自身も陰ながら色々と情報を集めて居るようだけれど……よし。
ガラッ!と定刻よりも数分遅れでのドアを開けた僕。

「おっはー!みんなのお耳の恋人、五条悟先生のホームルームを始めるよー!」
「朝からうるせー!」

野薔薇がしかめっ面してる。元気に朝から対戦ゲームかな?と皆が携帯を覗いているから悠仁に近付いて携帯をひょい、と覗いた。

「なになに?モンストでもやってんの?」
「違うって!あ、先生!これ…、」

悠仁や、他のふたりも同じ画面を僕に見せてくる。その画面はとある特集。

トップには少し前から騒がれてる、悲劇のアスリートの話。
事故による脚の切断で選手生命は閉ざされていく話が急に奇跡をもって表舞台へと舞い戻ってきた。それもでかでかとした記者会見を開いて。
彼女の失われた脚は綺麗に戻っていた。
事故が起きる前みたいで指で押す弾力性は本物の脚……よく出来た義足なんかじゃない、誰かの脚を移植されて貰ったのでもない。
"奇跡のような手術で再生させた"と目を輝かせて興奮気味に話していた。詳しくは言わずともカルト的な発言に記者たちも突っ込むに言葉が出ない、だからといって悪ふざけでもない。何故なら本物の肉体であったから。

彼女を筆頭に少しして失明した演奏家、白血病に掛かった有名人、末期がんの政治家……アスリートの彼女のような派手な会見はしなくてもネットニュースで一時期トップを飾っていた。"再びの奇跡!"だとか。
それらは最近になって急に出てきた奇跡の施術。皆口を揃えて移植ではない、詳細は省くけどと言ってる。
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