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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第11章 その男、心配性につき…。


98.

──医務室。

時間にして午後2時を回っている所、本日3回目の医務室召喚を食らっていた。私は制服ではなくジャージ。それを意味するのは午後は体術だったという事。
本日はなかなかに怪我人が多い。それも皆別の場所で怪我をしてるからそういう日なんでしょ。仏滅とか友引とかそんな感じの…。怪我人多し、気を付けよ的な。
医務室での治療が今回で二回目となる新田が椅子に座る。伊地知は付添では来ていない、ひとりでの医務室だった。

「いっ!だだだだっ……」

新田の関節の無い前腕部分がありえない方向を向いている。どういう怪我をすればこんなになるんだとその場に居たわけじゃないから分からないけれど……ただ歩いていてーとか、転んでーとかではここまで曲がらないよ…。
90度とは言わないけれど…肝がヒュッ、と軽くなるような感覚に陥った。
めちゃくちゃ痛いんだろうね、目尻に涙まで滲んでる。そんな新田の肩に手を触れて怪我も痛みも、"負"を式髪へと吸い取って約一本分の頭髪が身代わりにその腕をゆっくりじわじわと治療していく。

「あだっ!もうちょいまともに痛くはならないッスかぁ!?」

抉れた傷なら肉が盛り上がる。切断された場所なら切断部分から再生する。
でも今回の新田の怪我はこういう、へし折られても取れずにちゃんと着いてる場合はかなりの痛みがあるみたいで。
折れた場所が真っ直ぐになろうとする力が痛みを倍増させているみたいだった。私自身も最初よりは完治まで時間は縮まってきてるけれど…。治るまでの間が痛そう。

『麻酔でも硝子さんが打ってくれれば……』

「いや、そこまでは良いッス……今居ないし…どっちが治しても同じだったかもだし…」

1分以内での治療だけれど治った新田はゆっくりと腕を回し、手を結んで開いでと繰り返して調子を確かめている。
痛そうだった表情もにこやかに変わった。

「うん!完治!流石春日家パワーッス!治療めっちゃ痛かったけど痕も残ってないしあっという間だし。また何かあったら宜しくッス!」

『そりゃあどうも。でも怪我する予定は立てないで下さいよ…?』
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