第11章 その男、心配性につき…。
『割とタイプではあるけどただそれだけ。私は悟が好きだよ』
「……ふーん。浮気したら分かってるよな?」
口元にうっすらと笑みを浮かべる悟に私は短く笑った。
浮気なんてするわけがない。こんなにも私は悟に溺れてしまって抜け出せないのに。いや、抜け出す気も起きないっていうのに。自分から落ちた湖から這い出す気はさらさら無かった。
『安心しなよ、絶対に浮気なんてしないから。もしも私が浮気なんてしたら……』
「……"したら"?」
聞き返す悟。もし縛りがあるのならしても良い。その縛りっていうのは今日書いたもしもの保険に含まれるけれども、呪術に関する縛りを行うのならそれだっていい。
その浮気をする事があった場合の対処を、悟の頬に手を触れて告げた。
『私の事、殺しても良いよ。それくらいの覚悟で私は悟を愛してるから』
する、と悟の頬を撫でて笑う。
悟も笑い返してから自身の口元を押さえ、瞼を伏せた。
「……やだ、ハルカ抱いて?僕のことめちゃくちゃにして?」
『さっきまでさんざんしたでしょうが…』
「うん。でもそれとこれは別。でもー…、うん。僕もハルカもいっぱいえっちして疲れてるもんねー…
訂正。後日、抱いてー?」
ははは、と互いに笑ってお休み、と抱きしめ合って眠りについた。