第11章 その男、心配性につき…。
とろんとする思考。まだ出来るならもっと悟としたい。
もぞ、と伏せた状態から体を起こそうとすると悟が私から退いて、ベッドの上で座る。同じく座ってる悟が手を広げた。
「おいで、ハルカ」
『…うん』
ベッドに座る悟に跨るように抱きつく。悟の背に私が腕を、私の背に悟が腕を。優しいキスを3度程してぎゅっと抱き合った。
今だけでも充分幸せ。もう少しだけ、この恋人の関係が続いてその先はどういう関係になるんだろう。悟ほどじゃないけれど私も小さな未来予想図を脳裏に描いて、そんな幸せな日々が送れるのなら、と隣の白い髪の主を撫でた。
……そのまましばらくは抱き合って。
『悟、もっとしたいなんて言ったら引く…?』
「ん?むしろそう言って貰えると喜んで勃起させた後ハルカにぶち込みます」
『マイルド。もっとマイルドに言って?』
ペニスの先端に残る精液を拭い、もう一度、更にもう一度と悟と身体を重ねていく。
仰向けの私に抱きつくような体勢だったり、座る悟の上に跨ったり……。
いっぱい愛を確かめて心身ともに満足した。けれども疲れてしまって立つのがだるい。電気のヒモを反転術式で喚び出した式髪で絡めて引っ張れば明るい部屋は暗くなっていく。
……あっ、術。これで最初からコンドーム取ってれば良かったんじゃあ…全ては終わった後。外に射精していたし、多分…多分大丈夫。
あとはこのまま互いの熱を感じながら眠るだけ。その眠りにつくまでの互いのねむだるい口調での会話は、私も悟も眠気を誘い合っている。
「ハルカー…正直傑の事、どう思う?」
どう思うか、なんて眠い頭で考える。
結構見た目とか性格は良い。もしも悟が私に寄ってこなくて、高専にただ居た状態ならば気になる人くらいにはなっていたかもしれない。
もぞもぞと身体を反転させて悟に向き合う。服がない分、ぴっとりと胸とお腹をくっつけば暖かい。互いの顔が近くて、キスなんてすぐに出来るけれど呆れるほどに愛を語らった後ではお腹いっぱいだからしない。最後のセックスの後に触れるような優しいキスをしてくれたから。
じっと薄暗い室内で悟の瞳を見た。