第11章 その男、心配性につき…。
両手を押さえていた悟の手が離れた。やけに熱っぽくて汗ばんでるのはどっちのせいだろう。
ゴムを取ってと言われて、自分で取れば良いのにとも文句を言いたいけれど私は今は仰向け。体を横に倒し、ベッドを這って手を伸ばした。ベッド脇に小物、コンドームを入れてあったから。
けれどもその手は伸びても目的のものには手が届かない。それは私の背後に居る男がけらけらと笑ったから。
「なーんてねっ、やっぱゴム要らないや、このまま生でしよっ!」
後ろから腰を掴まれて、そのまま背後から私に押し当てられる熱いもの。
『…やっ、何すんのっ!?』
「何って、ヤんだよ?何も着けずにこのままさ…っ、ふ、流石に…っ、慣らしてからが良かったかなぁ~?」
充分に触れられていないので、押されては引かれるをこまめに何度も繰り返して慣らそうとしてる。
『ばかっ!ゴムしてって言ってるでしょっ!』
希望を持って手を伸ばせども小物を入れた場所に届かない。それどころか遠くなっていく。悟がピストンをするついでに私を行かせまいと腰どころか体ごとぐいぐい引っ張ってる。私が後ろに引っ張られていく毎にベッドのシーツの皺が深くなっていく。
「オマエの言う通り嫉妬、してるよ?だからちゃんと俺のものだって、刻みつけてんの…っ」
『だからってこんなのは嫌!私が誘ったのはこういうっ、無理矢理みたいのじゃない!』
ズブブ、とあまり濡れてないままに僅かに痛みを伴いながら子宮口までしっかりと繋ぎ合わせてしまった互いの身体。
悟は手でぐいぐいと私の腰をベッドへと押している。ぺたんと胸も腹もベッドに倒れ込むように伏せてしまった。
「ほら、しよう。今更ゴムしたってもう挿れてんの。出す時は抜いて外に出すから今日はこのまま生でヤるよ?」
ベッドにベッタリと這いつくばる上体で私は少し上体を起こし、横を見る。その方向からひょっこりと悟が顔を出し、"ね?"と同意を求めてる。
こういうの、甘やかすのは良くないんだよな。
『……中で出したら絶交かつ、今日書いたヤツ破り捨てるから』
「そこまで言うー?
…分かったよ、暴発しないように我慢して外で出す。とはいってもハルカ、よく締まるからなー…気を付けなきゃね?」