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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第11章 その男、心配性につき…。


悟がくいっ、と親指でさすのは診察用のベッド。カーテンなども付いているそこを悟は指した後に組んだ足を解き、少し椅子から腰を上げて私に前傾姿勢で近付く。

「──ほら、鍵も締めたし、さ…?聞いても良いかな?」

やばい、身体に聞かれる…!
危機感と若干の期待に高鳴る鼓動。流石にここではしたくない…!

『だっ、だから悟よりも他の人から聞きたかったんだって!』

一番良い方法は硝子。悟や夏油と同級生なら確実な情報が得られる。けれども今日から3日ほどお休みだ。だからってわざわざお休み中に聞くのは避けたい…となると、丁度良いタイミングで医務室に来た七海が適切な人物だった。
必死に悟の頬を片手でむにっ、と押して拒絶すると自ら離れて椅子に座る悟。

「明日、憂太も傑も帰ってくるの確実なんだよね。任務にそんな手間取らないでしょ、最強コンビの片割れとグレートティーチャー五条の生徒だもん。
僕からも憂太…ああ乙骨憂太に連絡したらそうだって言ってんだよー…
僕さ。あいつらが海外行く前に傑と喧嘩しちゃってね」

しょんぼりとした悟が珍しい。私は真剣に悟の懺悔を聞いて時に相槌を打っていた。

「仲直りする暇もなくずっと口、聞いてないんだよね。海外に行ってるから尚更かな。伝えたい事は憂太を通してって感じでさ」

『そうなんだ…親友って確か昨日言ってたよね、悟』

うんと頷く悟。私は両手を伸ばし、悟の両頬に手を添えてまっすぐと見た…といってもアイマスクで視線は合わないのだけれど。

『明日帰って来るんでしょ?親友のままで居たいのならば意地を張ってないで仲直りすべきだよ?』
「そう簡単に言うけどさー」
『……呪術師はいつ死ぬか、死ぬ場所も選べないって言ってなかったっけ。ほら、多分座学か補習かで聞いたと思うんだけれど』

常に悔いの無い生き方であれという事。引き摺って自身が死ねば相手に心残りが出来、相手が死ねばこっちがああすれば良かった、こうしとけば良かったと後悔が残る。それもまた呪いのようなものだ。
私も後悔した、先輩たちとの任務の時に。全てを後悔せずに生きるのは難しいけれどちゃんとやれることはやらなくちゃ。
私に手を添えられた悟はうーん、と考えてるようだ。

『ちなみにさ、悟と夏油さんって一体どんな喧嘩をしたの?』
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