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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第11章 その男、心配性につき…。


91.

医務室が見える位置までやってくるとドアの前には七海が待っていた。片腕にジャケットを抱えていて、青いシャツの状態で待っていた。朝という事もあり、おはよう御座います!と掛け声を掛けつつ朝一なので鍵を開け、室内に入って貰って……。
それから七海の腕の血の滲む包帯を取った後に怪我を治す。
もう必要のない包帯を捨て、私が呪術で治療をしたという証明書を椅子に座って書きながら、ジャケットを羽織る七海を見上げた。

『七海さんって悟の後輩だったんですよね?』

以前、生徒になる前。私の家の"曰く付き"の理由を祓いに、ついでに生活必需品を取りに行った時に聞いたんだった。悟よりも一つ下の後輩、七海。
……本当に?と言うほどに先輩と後輩の配置が違うと思うんだけれど。おつむ…、うん、マインド的な意味でさ。
ちょっぴり眉間に皺が寄った気がする七海。

「残念ながらそうなりますが藪から棒に何です?」

襟元を正し、ボタンを止め終えた七海はもうひとつの椅子にギッ、と小さく椅子を軋ませて座った。静かな室内、昨日の事や今朝の事で私の頭は疑問でいっぱいだ。
私は知りたい、その悟の親友という人物が。昨日はあの言い方やタイミングからてっきり亡き人かと思ってしまったけれど、伏黒は確実に"夏油傑"と言った。
今は遠くにいるって海外かよ、とつっこむべきは昨日だった、今日になって海外にいるという事が発覚したら悟が私を隠すと言い出すし。
悟本人に聞けばよくわからん事を言い出しそうだし、どうせこのタイミングで呼ばれたのならば七海に聞くのが一番だと判断した。

治療箇所の人体図、腕に丸を書き私は証明書を挟んだバインダーとペンを机に一度置き、七海の方向を向いたままにやや前傾姿勢になった。
ふざけた雰囲気ではない。七海も真剣に向き合う。そのままで少しだけ声量を下げて。悟がいつやってくるか分からないしなぁ…。

『悟や硝子さんと同級生だった、夏油傑という方をご存知ですか?』

そのままに態度を変えない七海はつらつらと言葉を並べていく。

「ええ、先輩ですからもちろん知っていますよ。五条さん、家入さん、夏油さんが私のひとつ上の先輩でしたから。特に五条さんと夏油さんは最強であり問題児のコンビでしたね」
『ほお?』
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