第11章 その男、心配性につき…。
伏黒と共に虎杖をツッコんでいれば、本日は6分遅れてやって来た一年担任の悟が教室にやって来た。
「おっはー!朝からなんか楽しげだねー!なになに?きなこ棒の当たりでも引いた?」
『駄菓子屋の些細な幸運!』
携帯をしまい朝の連絡事項があるだろう、とホームルームに備える。
虎杖もはしゃいでいたのが黙ってしまったから切り替えたんだろう。本日の朝礼当番は私で、号令を掛けスムーズにホームルームは進んでいく。といっても大した内容ではなく。
週の初めはこれくらいで良いんだよ、忙しくないくらいが。始めから飛ばしてたら体がもたんよ…。
虎杖がボケた所に悟がボケを重ねて伏黒がツッコんでるのを見ながらいつもの始まったな…と、きっと私と同じ表情で釘崎も見てるんだろうなとこの光景を見ていた。
切り替えるように、ポケットから長方形の茶封筒を取り出して、いつものね、と私の机にそっと置く悟。
「それからハルカ、学長からね~"硝子にまるまる休みやりたい"って事で今日から3日ほど治療はハルカに任せるって。治療した人の書類とかもうひとりで書けるっしょ?医務室今誰も居ないけれど怪我人出たら携帯にすぐ連絡来るから来たら医務室にダッシュね」
確かに硝子は休みが取れて無さそうだ。私が休日の時とか全然呼ばれない、という事は請け負ってるんじゃないかって事。
茶封筒を受け取り、それを机に入れてうんうん頷いた。封筒の中身はもはや日課だ。あと8回デートを済ませる前に溜まってしまいそう。
『……了解』
「無いとは思うけれど、硝子じゃないと駄目ってパターンの時は呼んでってさ。まあ、キミのことだからさっくりと治すし呼ばないでしょ。
そんなわけで明日の任務からは外すよ、医務室か寮で待機ね」
『ソンナー』
任務は行きたかったなぁ、と残念ではあるけれど離れてる間に他の高専を中心に活動してる関係者が怪我をした時、対応出来る人が居なくなる。そこは仕方ないか、と少し遅れて居残りも了解と伝えた。
怪我人出たら呼ばれるのは変わらないし、今日に関してはいつも通りの日常だろうなと楽観的に考えていた。
きちんとした連絡事項は終わり、雑談にと変わる。テーマは一昨日の話。