第11章 その男、心配性につき…。
『あーいいっすねー野薔薇氏ー行こ行こ、悟は置いてくわ』
そそくさと携帯を取り出し、どの辺りの温泉にしようかと検索を始める。それを見た釘崎も携帯を取り出し、どういうのにするー?とそれぞれ温泉施設を検索始めた。
その光景を見て机に伏せながらに顔を上げる虎杖。
「いーなぁ…ってか、みたらいに至っては別に釘崎じゃなくても先生と泊まりで行けるだろ?」
「虎杖、お前な……五条先生がみたらいと泊まりで温泉に行ったとして休めると思ってんのか?あの五条先生だぞ?」
「あっ…(察し)」
伏黒のヒントでなんか想像したな、虎杖。
手を一度止めて男子ふたりをじとーっと見る。きゃっきゃはしゃぐ方向か、セクシャルに夜攻め続ける方向か……どっちの意味もだよ、とは言えず私は視線を携帯画面に、そしてまた検索画面をスクロールしていく。
毎日の入浴も長く浸かってられないし息抜きがしたい。一緒に居て楽しいし幸せではあるけれど息抜きしたい時だってあるのだ。
画面の温泉リストを眺める。釘崎硫黄大丈夫かな…。
チャイムが鳴るもどうせここの担任はぴったり来ないのは確定。数分遅刻する事を理解してるので、私はそのまま携帯片手に釘崎に問いかけた。
『釘崎~、硫黄平気?あと週末行くのは日帰り?泊まり?泊まりなら予約取っとくよ』
「硫黄泉平気ってかむしろばっちこいって感じ。どうせ行くなら泊まりっしょ」
『オッケー、じゃあふたり…、』
携帯画面で予約人数を入力する所で、虎杖が机を手の平でぱちんぱちんと音を出して叩き騒ぎ出した。
「俺も俺も!なあ伏黒も行こうぜ!温泉!泊まりでの温泉だぞ?」
「なんでだよ、釘崎達で行かせとけよ」
「なんだよ連れねえな~…楽しい予感しかしないだろ!?」
…。
虎杖の攻めに伏黒はため息をつきながら行くことになって今ここに居る4人で行く事が決定して。女同士だけのつもりが賑やかになっちゃうな、と4人と入力して予約した。
予約確認メールを受信し、予約番号などが書かれた画面をスクショして皆に共有する。
まだ悟は来ない。けれど時間的にそろそろ来るでしょ。
「トランプは持ってくとしてー、他何いる?マジックザギャザリング?ポケカ?」
『デッキを持ってないやつにどうしろっちゅーねん』
「カードゲーム縛りじゃねーんだぞ、虎杖」