第10章 末裔の貝殻は開くのか?
「何をどこにぶち込むって?そりゃあキミ……アレでしょ」
『アレとかコレとかおじいちゃんか?そういうのはいいから言ってみな?』
「……ほら、アレ!…キミの女性器にいきり立つ僕の男性器をしこしこしこしこ、」
『おまわりさーん!事案ですよ、ここに危険人物がいまーす!ピーポ君案件でーっす!
……まったく!なーにがしこしこだよ!下品極まりない!マイナス評価じゃない!?』
私が思いっきり言い切った!と騒ぐと悟はゲラゲラ笑った後に一度咳払いをした。
そして私の頬に手を添えてわざわざ良い声にして続ける。しかもじわじわとゆっくり私の耳元に近付きながら。少しずらしたサングラスから覗かせるキリッとした青が鮮烈で。言葉にする前からどきどきする。
「じゃあワイルドな告白がボツになったから今度は真剣になっちゃおうね…
──"出会った時からずっとキミに惹かれててね。僕はキミが欲しい"とかかな?それとも"ずっと一緒に居られる関係になろうか?"かな?もしくは"僕をキミの視線を独り占めできる男にしてよ、僕はキミだけしか見えていないけれど"とか…あっ!"僕の残りの人生をキミにあげるからキミの人生を僕に頂戴"とか"ハルカ、キミも五条にならないか?"も…あれ?告白ってかプロポーズになってきちゃったねー!じゃあこのままもっと言っちゃお!」
『まって畳み掛けて来ないで数撃ちゃ当たる戦法、それ散弾銃になってるから!あと猗窩座入れてない?』
にこにことした悟は元通り、対面のベンチに座った。
…このままに言葉の散弾銃を喰らい続けたら心臓が保たない!
悟は勝ち誇った顔で腕を組んでかなり楽しそうに笑っていた。
「優勝者は僕かな、当然だよねー!ハルカ真っ赤だもん」
『勝ちは譲る、勝てっこないでしょ、口説くのに関してはさ』
「あっはっは!……まあね、高専時代親友と競ったくらいだもん」
懐かしむように笑う悟は携帯を取り出して何度も何度もスクロールしてる。
そしてぼそりと「あった」と呟き、微笑んで私へ携帯画面を見せた。
『ん、なになに…?』
──画面に映るのはふたりの男。
一人は白髪に今現在掛けているようなラウンド型のサングラスを掛けた青年。悟だ。