第10章 末裔の貝殻は開くのか?
首の後ろに手を回し、屈ませてからのかぷ、と唇で甘噛するようなキス。至近距離でのその青は驚くよりも凛々しくて。
キスしてなければ笑っていただろう、口は塞がっていても瞳は少し細められて笑う。角度を変える時に漏れ出す吐息は笑っているみたいだった。
「……はっ、今日ぐいぐい来るね~!そーゆーの、イイと思うよ?」
『もっと、しても良い?』
「ん?もっとちゅうしたいの?」
まだ足りない。もう少しだけ悟とキスがしたい。
頷いて離れたばかりの唇にまたかぶりつくようにキスすると、悟は迎え討つように舌が無双していく。
『んっ~!…ふ、……むっっ!』
何度も身体を重ねて、何度もキスをしてるから悟は私の事を良く知ってる。
口内を攻めて、私がどろどろに蕩けてるのを確認した彼はやっと開放してくれた。
勝ち誇った表情、これこそが五条悟って男なんだと思う。
「積極的にキスをねだって、こんなにとろとろになるなんてね…下の方もとろとろになってるんじゃないの?」
私の腰に当てていた手がする、と前へと滑って迷わずその場所へと辿り着いた。
私自身、見なくても充分に下半身がどうなっているのか。耳からその情報が伝わってきた。
くちゅっ…ちゅっ、ちゅくっ…
なんとも刺激にだらしなく、そして厭らしい音。完全に欲情してるって主張してる身体。
悟は呼吸を少し荒げながら、何度もその場所を往復させて念入りに刺激を私に与え続けてきている。
「ほら、ハルカ聞こえるでしょ?すっごく濡れてる。キスしかしてないのにそんなにえっちしたかったんだ?」
『わざと音っ…立ててるでしょ…っ』
「んー?そういうつもりじゃないけど、ここ…僕の事を欲しがってるからさあ…主張してんのよ」
そんなにしたいわけじゃなかったのにだんだんとその気にさせられたというか。お風呂に入るまでは普通だったのに完全にその気になってしまってた。
肯定も否定もせず、ただじっと悟を見つめた。その気だからもう悟に触れられるならばなんだってしたい。
ククッ、と笑った悟は私の頬を手の甲で撫でて私をやんわりと引き離した。